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新興国情報

ベトナム株式市場の近況――ドン切り下げ・金融引き締めの影響で下落、上値は重い
2011/04/05

ベトナム株の最近の動きを見ていきたいと思います。2010年11月22日のザラ場に年初来安値の419.98ポイントを着けた後に反発。ドン切り下げ前まで上昇トレンドは続いたものの(高値は2月9日の529.20ポイント)、9.3%のドン切り上げで下落を強いられました。その後も経済の安定化のために、金融引き締めなどの政策が打ち出され、株式市場には逆風が続いています。

ケイ線としては三尊を付けたこと、20日、60日、200日の平均線を軒並み割り込んだことなどから上値は重いです。上昇トレンド入りするには何らかのキッカケが必要になると思われます。

最近、第1四半期の経済指標が公表されました。なぜかベトナムでは終っていない期間の経済指標が発表されます。例えば1−3月期のGDP(国内総生産)成長率を3月29日に公表しました。その他のGDPや貿易収支などの経済指数も同様です。普通に考えるとありえないのですが、ベトナム政府統計局が正式に発表しているので間違いはないようです。

経済指標は予想範囲内ではあるものの、あまり芳しくないと言わざるを得ません。11年第1四半期GDPは前年同期比5.43%増と10年第4四半期の同7.34%増から鈍化し、3月のCPI(消費者物価指数)も前年同期比プラス13.89%と大きく上昇しました(2月は同プラス12.24%)。数字的にはよくないですが、金融引き締めへと大きく方向転換したことを踏まえれば、当然の結果だと思っています。

一方、前回触れたように貿易収支は改善していますし、中央銀行の総裁が「11年度の国際収支が3年ぶりに黒字に転換する」との見通しを示すなどポジティブな面も散見されます。

今の段階では政府の政策は順調です。このまま金融引き締めへの方向転換がうまくいけば、通貨の安定や貿易収支の改善などの効果が出てくるはずです。それにはもう少し時間がかかるので、しばらく株価は軟調な動きとなるのではないでしょうか。

※日本の大震災を受けて、ベトナムでも多くの寄付が集まっています。首相からの呼びかけで全公務員が1日分の給料を寄付しました。それに倣って企業や個人も寄付をしてくれているそうです。キンバックシティ(KBC)は全従業員の給与1日分を寄付、エクシムバンク(EIB)は1億2,300万円を寄付、ベトコムバンク(VCB)は20億ドン(約800万円)を寄付など、その他多くの企業が寄付をしてくれています。

未曾有の危機ではありますが、このように世界中から温かい想いが届けられていると思うと嬉しいです。

(大鳥 洋子)

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