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新興国情報

ベトナムの銀行セクター、11年末までに増資義務も中長期では成長期待
2011/04/12

今回はベトナムの銀行セクターを見ていきたいと思います。まず、ホーチミン市場に上場している銀行はベトインバンク(CTG)、エクシムバンク(EIB)、サコムバンク(STB)、ベトコムバンク(VCB)の4つです。ハノイ市場はアジアコマーシャルバンク(ACB)、ハブバンク(HBB)、ナムベト商業バンク(NVB)、サイゴンハノイ商業バンク(SHB)の4つが上場しています。

ベトインバンク(CTG)とベトコムバンク(VCB)は元国営の4大銀行で大きなシェアを持っています。エクシムバンク(EIB)は三井住友銀行が15%の資本を出資しています。サコムバンク(STB)は華僑系の大手民間銀行です。アジアコマーシャルバンク(ACB)は大手民間銀行でリテール部門が強いです。この5行が主な上場銀行と考えていいと思います。

2006年11月に「国内銀行は2010年12月31日までに資本金を最低3兆ドン(約123億円)まで引き上げること」と規定されました。2006年からベトナム株は大きく上昇しており、十分に達成可能と思われていましたが、2007年末からベトナムの株式相場は下落局面に突入し、2008年にリーマン・ショックによりさらに下落してしまいます。2009年は2007年、2008年の下落の反動で反発するも、2010年は多くの新興国の株式が上昇するなか、軟調な値動きとなりました。そのような状況で銀行の大型増資は実行できず、期限目前で中央銀行が政府に期限の延長を提案し、2011年12月31日まで延期となりました。

現在上場している中にも資本金が3兆ドンに達していない銀行があるレベルなので、未上場の銀行が増資をするのはかなり厳しいと言わざるを得ません。最近の金融引き締めを加味すると、2011年末までに国内銀行の増資を完了させるのはかなり難しいのではないかと思っています。

しかしながら銀行セクターはベトナムの成長とともに発展していくことは間違いありません。中長期の投資であれば、投資しやすいのではないでしょうか。

購入するにあたり2つの注意事項があります。まずベトナム株には外国人の保有制限があり、通常の上場企業は49%、銀行は30%が上限です。エクシムバンク(EIB)やアジアコマーシャルバンク(ACB)はほぼ常に30%に達しています。株を保有している外国人投資家が売却しない限り、購入することができません。

次に現地に口座を持っていない人(ニュース証券や日本アジア証券などの日本の証券会社を通して売買している人)は有償増資に応じられないため、非常に不利です(無償増資はOK)。

たとえば、買値10万ドンの株で1:1の有償増資(1株につき1株を1万ドンで購入できる)が行われたとします。有償増資に応じられる人は元々保有している100株(購入価格:10万ドン×100株=1,000万ドン)と有償増資の100株(購入価格:1万ドン×100株=100万ドン)で合計200株(購入価格:1,000万ドン+100万ドン=1,100万ドン)となります。有償増資に応じた人の1株購入単価は5万5,000ドン(1,100万ドン÷200株)に下がりますが、応じられない人の1株購入単価は10万ドンのままです(1株購入単価以上で売却しないと利益が出ないため、1株購入単価は低いほどよい)。有償増資の権利落ち後に株価は調整されるので、権利落ち前に一度売却するか、過去に有償増資をしている銘柄は購入しないようにするのが無難だと思います。

ベトナムの上場銀行

銘柄 時価総額 資本金
ホーチミン ベトインバンク(CTG) 49兆3,942億ドン 11兆2,529億ドン
エクシムバンク(EIB) 15兆4,177億ドン 10兆5,600億ドン
サコムバンク(STB) 12兆6,673億ドン 9兆1,792億ドン
ベトコムバンク(VCB) 53兆6,420億ドン 13兆6,286億ドン
ハノイ アジアコマーシャルバンク(ACB) 21兆4,721億ドン 7兆8,139億ドン
ハブバンク(HBB) 2兆8,500億ドン 3兆ドン
ナムベト商業バンク(NVB) 3兆64億ドン 1兆ドン
サイゴンハノイ商業バンク(SHB) 2兆9,327億ドン 2兆ドン

(大鳥 洋子)

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