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新興国情報

ベトナム株式、食品セクターが相場けん引――マサングループが時価総額1位に
2011/05/17

ベトナムのマサングループ(MSN)が4月20日から9日続伸し、上場来高値を更新しました。この急上昇によってホーチミン市場で時価総額1位だった生損保大手のバオベトグループ(BVH)を抜き、マサングループが時価総額1位となりました。

(図1)マサングループの株価推移

(図1)マサングループの株価推移

マサングループは投資会社形式で、マサンフードとテクコム銀行が傘下企業の二本柱です。マサンフードは醤油の国内シェアが80%超、魚醤(ベトナムではヌックマム、タイではナンプラーと呼ばれる)が約60%と調味料の大手企業です。日本で言うところのキッコーマンでしょうか。4月13日に投資ファンド大手のコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)がマサンフードの株式10%を取得すると発表したことがマサングループの株価急伸につながりました。

業績も好調です。10年通期の売上高が前年比41%増の5兆5,850億ドン(約217億8,000万円)、純利益が89%増の1兆8,600億ドンに達しました。今年の第1四半期の業績も売上高が前年同期比53.8%増の1兆3,000億ドン、純利益が249.8%増の3,378億1,800万ドンと大幅増益を発表しています。

11年度の経営計画については売上高を8兆−10兆ドン、純利益を2兆4,000億−3兆1,000億ドンに設定しました。純利益に関しては、前年の実績を30−60%上回る高成長です。また、「今後3年間で時価総額を国内総生産(GDP)の5%まで引き上げる」と発表し、強気の経営スタンスが評価されています。

他にも北タイグエン省における世界有数のタングステン鉱山であるヌイファオプロジェクトに出資しており、13年ごろから利益の計上を見込んでいます。

1カ月で株価が急上昇したせいもあり、PERが約21倍と比較的高い水準にありますが、中長期的には魅力的な銘柄です。

乳製品最大手のビナミルク(VNM)も上場来高値を更新しています。

(図2)ビナミルクの株価推移

(図2)ビナミルクの株価推移

ビナミルクの10年通期の連結業績(監査前)は売上高が前年比48.4%増の15兆7,528億7,000万ドン、純利益が52.2%増の3兆6,154億9,000万ドンに達しました。第1四半期の業績も売上高が前年同期比39.5%増の4兆5,000億ドン、純利益が23.1%増の1兆ドンと好調です。増益幅が増収幅を下回っているのは財務費用が増加したほか、販促活動の強化により販売費が増加したためです。

こちらも株価・業績ともに良好ですが、外国人保有制限により現在は購入できません。ベトナムでは普通の上場株が49%、銀行株が30%と外国人の保有率に制限が設けられており、ビナミルクはその上限に達しているため、購入できないのです。

ベトナムのサイトなどでビナミルクの外国人保有率を見ると46%となっています。残りの3%はどうなっているのかと思われる方も多いと思うので追記しておきます。ビナミルクはシンガポールへの上場を計画していたため、外国人保有枠の3%は購入できない状態で、46%が上限となっています。しかしシンガポール上場はとん挫してしまったので近いうちに46%から49%に引き上げられる予定です。

噂で聞いたのですが、この3%は入札競売方式にするらしいです。外国人保有率が上限に達しているビナミルクの外国人保有枠はプレミアが付くため、入札競売すれば外国人が高く買うと考えているとか。ただ、この情報は人づてに聞いたことなので、必ずしも信頼性の高い情報とは言えません。ご注意ください。

(大鳥 洋子)

大鳥 洋子サイトへのリンク

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