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新興国情報

欧米でアジア企業の上場ラッシュ、「ASEAN証券取引所」誕生で日本孤立?
2011/05/20

ベトナムを中心に不動産・天然ゴム、発電事業など多角的に事業を展開するホアン・アイン・ザーライ社、同社は今年3月イギリス ロンドン証券取引所にグローバル預託証券(GLOBAL DEPOSITARY RECEIPT=GDR)方式で上場しました。

日本の投資家にとってはニューヨーク証券取引所(NYSE)の米国預託証券(ADR)の方が馴染み深いと思いますが、ロシアや東欧企業に関してはGDR形式での上場も数多く、先進国の取引所で成長国の企業の株式に投資できるメリットは多いです。

ベトナム企業は2007年、2008年と自国の株式市場が活況だったころから時価総額が大きいメジャーな会社を中心に海外市場への上場というニュースが出るようになりましたが、これまでのところ大手ゼネコン企業のCavico(カヴィコ)がNASDAQに上場したくらいで、海外への株式上場は進んでいません。

対してベトナムのお隣中国ではフェイスブックのようなSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)サイトを運営する人人網(レンレン)、オンラインデートサイトを運営する世紀佳(チャーユアン)などネット企業を中心にNYSE、NASDAQへの上場が5月にかけて相次いでいます。中国企業はこれまでも検索の百度(バイドゥ)をはじめネット・オンラインゲーム関連の企業が米国の証券取引所に数多く上場していて中国のネット企業にとって資金獲得の場として香港市場よりも好まれている傾向があり、海外市場への上場が定着しています。

現在ベトナム企業に投資する場合、ベトナムの証券市場(ホーチミン、ハノイ)で取引をすることになりますが、ここ数年のドン安など通貨不安もあり投資家にとってはなかなか投資したいと思える環境ではありません。

ここまでベトナムや中国企業の海外上場について触れてきましたが、現在ASEAN(東南アジア諸国連合)地域では各国の株式市場を相互に電子取引網で繋いだ"ASEAN証券取引所"の計画が進んでいます。タイ、シンガポール、インドネシア、マレーシア、フィリピン、そしてベトナムといった東南アジアの成長国における主要企業の株式を現地の証券取引所以外でも売買できるようになる見込みで、これが実現すればこれまでベトナムの企業で多かったシンガポールへの上場計画が実現しなくとも個人・機関投資家問わずベトナム株式の売買がやりやすくなり、ベトナム企業にとっては海外投資家からの資金確保がやりやすくなるのではないかと思われます。

シンガポール、中国・香港などの証券市場が発展したいま、ASEAN証券取引所が誕生すれば、日本の証券取引所は成長著しいアジアの中で本当に孤立した状態になってしまうのではと危惧しています。

(しむしむ)

ベトナム株・BRICsプラス11投資情報へのリンク

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