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整備が進むカンボジアの運輸インフラ―「南部経済回廊」結ぶ橋、日本が建設支援
2011/05/23

ネアックルン橋建設予定地点に立つ説明ボード

海外の投資家の心配のひとつは、運輸インフラの整備状況です。カンボジアは内戦からの復興を経て、ようやく基本的な整備が整いつつある段階と言えましょう。

まず、国道ですが、1ケタ国道(国道1号線−8号線)合計2,117kmについては、ようやく昨年全線の舗装工事が完了しました。特に、ホーチミン−プノンペン−バンコクを結ぶ南部経済回廊はカンボジアにとっても重要な幹線道路です。カンボジア国内の南部経済回廊は、ベトナム国境のバベットから国道1号線でプノンペンへ、さらにプノンペンからは、国道5号線でバッタンバンを経由してタイ国境のポイペトまでとなります。この国道1号線の途中、ネアックルンでメコン河を渡らなければなりませんが、まだ橋がなく、フェリーで渡らなくてはなりません。ここで通常でも30分、混雑時は数時間も足止めをされることもあります。このネアックルンには、日本の支援で立派な橋を架ける計画が長年検討されてきましたが、今年2月、ついに着工に至り、2015年の完成を目指しています。

道路については、これまで、日本もたくさんの支援をしてきました。国道1号線、2号線、6号線、7号線などですが、一番有名なのは、メコン河に初めて架けた「きずな橋」(国道7号線コンポンチャム付近)です。カンボジア通貨の500リエル札にも描かれています。また、プノンペンでトンレサップ川に架かる通称「日本橋」も有名で、プノンペンの観光名所ともなっています。この他にも、世界銀行、アジア開発銀行などの支援を得て国道の整備は進められてきましたが、最近、2ケタ国道の整備を中心に、中国、韓国、タイ、ベトナムなどの支援も得ています。

次に鉄道です。カンボジア内の鉄道路線はタイ、ベトナムと同じメーターゲージ(線路の幅が1,000ミリのもの)です。タイ国境のポイペトとプノンペンを結ぶ北線(385キロ)と、港のあるシアヌークビルとプノンペンを結ぶ南線(264キロ)の2路線です。北線は、植民地時代にフランスにより建設されました。南線は、独立後の1960年代にフランスの支援で建設されました。しかし、その後の内戦で相当に破壊されたうえに、90年代以降も十分な予算がなく、荒れるに任せていた状態でした。現在は、週に1−2便貨物列車を何とか運行している状態です。しかし、2008年からアジア開発銀行などの支援を得て、現在全線でリハビリ工事が進められています。完成後は、オーストラリアの民間会社により管理・運営される予定であり、今後カンボジアの基幹インフラとして重要な役割を果たすことが期待されます。

(鈴木 博)

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