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新興国情報

脚光浴びるカンボジアへの社会的投資、「マイクロファイナンス」ファンド登場で日本でも身近に
2011/06/06

カンボジアの農村。どこまでも続く田んぼが印象的です。

最近、「社会的投資」とか「BOP(ボトム・オブ・ピラミッド)ビジネス」といったキーワードを聞く機会が多くなっていると思います。社会的投資とは、援助ではなく、ビジネスを通じて雇用を増やし技術を移転していくことにより、途上国などで困っている人々を持続的に助ける投資です。

社会的投資には様々なアイデアややり方がありますが、カンボジアで目立っているのは「マイクロファイナンス」です。マイクロファイナンスは、農村部などで銀行に行ったこともない貧しい人々に、小額の融資を行うことによって、小規模ながら様々な経済活動を支援して収入を増やすものです。例えば、コメ作りをしている場合、ちょっとお金があれば、良い種子や肥料、農薬を買うことによって収穫を大きく増やすことができます。また、牛や鶏といった家畜を買って育てることによっても収入増が期待できます。農村の女性が小額の元手で、小さなお店を開き貴重な現金収入を得ていることもあります。

カンボジアには、2009年末現在、20のマイクロファイナンス機関(MFI)があります。これらの機関は、中央銀行(NBC)の認可を受け、業務について中央銀行の監督を受けています。特に、預金業務を認可されている大手のマイクロファイナンス機関については厳しい基準での監督を受けており、ほとんど商業銀行と同様の基準で活動を行っています。不良債権比率も、大手の機関で0.6%〜0.9%と低いレベルです。さらに、中央銀行に登録済みのマイクロファイナンスNGO(非政府組織)が26機関、登録せずにマイクロファイナンス活動を行っているNGOも60機関以上あるとされています。

2010年のマイクロファイナンスの貸付は、2009年の4.85億ドル(約400億円)から33%も増加して6.47億ドル(約540億円)に達しました。カンボジアマイクロファイナンス協会によれば、経済危機からの回復が特に2010年中盤から順調であったことが主要因と分析されています。貸付先は、農業向けが42%、商業向けが35%となっています。

これらのマイクロファイナンスを支援するために、日本でも投資信託などの形で資金が集められています。NGOのLiving in Peaceでは、カンボジアのマクロファイナンス機関向けの資金を集めるために投資信託のアイデアをまとめ、ミュージックセキュリティ社の協力を得て、2009年から投資信託を実現しています。一口3万円で社会的投資が可能になる素晴らしいアイデアと活動です。融資先を見に行くスタディツアーも実施しています。すでに3回にわたって投資信託を募集し、9,000万円以上の資金を集めています。また、NGOのArunでは、合同会社を設立して一口50万円の資金を集めて、カンボジアで農業や養蜂業へ投資を行っています。

カンボジアのマイクロファイナンス機関の預金金利は大変高く、日本の方々にとっても魅力的です。最大手のAMRETでは、ドル建て1年物で7.5%という預金金利です。カンボジアに来られて、預金するだけで高い金利を得るだけでなく、農村で貧しい生活を送っている人々を助ける社会的投資にも役立ちます(もちろん、為替などのリスクがありますので、預金の際には十分ご検討のうえご判断ください)。

(鈴木 博)

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