文字サイズの変更

  • 小
  • 中
  • 大
新興国情報

ベトナム当局、6月末期限の非生産セクターへの貸付制限を延期予定
2011/06/07

ベトナム中央銀行の総裁が今年の3月1日に「証券や不動産、非生産セクターへの貸付割合を減少させる方針で、6月末までに22%、12月末までに16%以下にする」と発表しました。これを受けて銀行は貸付金の回収を急いではいるそうですが、十分に回収が進まない状態が続いています。特に不動産は融資期間が長期にわたる場合が多く、回収は容易ではありません。そんな中、政府は6月末に迎える期限の延長を検討しているようです。

このニュースは非製造業である不動産や証券、貸付を行っている銀行にはとってはポジティブですし、金融・不動産銘柄のウエイトが大きいVN指数にとってもプラスとなります。しかし「政府が提示した期日を延期する」ということについて、私はリスクがあると考えています。4月12日の記事でも触れましたが、2010年12月31日まで国内銀行の資本金を最低3兆ドン(約117億円)に増資すると規定されたものの、結局は土壇場で2011年12月31日まで延期となりました。他にも政府の提示した期限を守れないことがよくあります。銀行の増資に関して言えば、去年の10月頃に金融関係の人が「年末までに増資は無理だ」と笑って話していました。つまり10月頃には増資を諦めてしまっていたわけです(実際に増資できる環境ではなかったですが)。このようなことが続けば「また今回も延期されるだろう」と考え、期日を守るという達成意識が低下する危険があると思います。これはかなり問題ではないでしょうか。企業だけでなく、地方政府や中央政府までもが「ダメなら延期」という感覚を持ってしまったら、できることもできなくなってしまうのではないかと危惧しています。現状をしっかり把握して達成可能な目標を提示すること、そしてそれを順守すること。この2つが今のベトナムに欠けている大切なことだと私は思います。

6月CPIは減速か

6月の消費者物価指数(CPI)の鈍化観測が出ています。5月も鈍化観測はあったものの、前年同月比で4月よりさらに高い上昇率となったので鵜呑みにはできませんが、世界の商品市況の安定や6月の電気料金が据え置かれるなどの良いニュースもあります。

電気料金は6月1日から3カ月おきに販売価格を見直すコスト・スライド制に移行し、値上げされると思われていましたが、ベトナム電力グループ(EVN)は据え置きを発表しました。EVNは「小売価格と製造コストの格差を解消しなければ、発電所の増設など電力不足の解決に向けた資金の捻出が困難となるため、将来的には値上げに踏み切る」と中長期的には値上げの意向を示したものの、目先の値上げは回避しました。

一部では今年のCPI上昇率が前年比で20%を超えると言われています。どうなるか注目です。

(大鳥 洋子)

大鳥 洋子サイトへのリンク

バックナンバー

閉じる

ページの先頭へ戻る