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新興国情報

巨大市場のベトナム制した日本企業のパイオニア、即席めん「ハオハオ」が大ヒット
2011/06/14

ベトナムは人件費が安くコストが抑えられるため、工場の移転を考える企業は少なくありません。しかしベトナムを始めとする東南アジア諸国はこれから非常に大きなマーケットになります。ベトナムの人口は9,000万人を超える勢いです。他にもインドネシアが約2億4,000万人、タイが約6,900万人、ミャンマーが約4,800万人など、東南アジアの総人口は5億5,000万人を超えます。しかも平均年齢が若く、1人当たりの国内総生産(GDP)もタイが約5,000ドル(約40万円)、インドネシアが約3,000ドル、ベトナムが約1,200ドルなどまだまだ低い水準にとどまり、かなりの伸びシロがあると思われます(日本は約43,000ドル)。

東南アジアの巨大市場に参入すべく、日本の大手企業が動き出しています。その先駆者となったのがエースコックです。1993年12月に60%出資して現地法人「エースコックベトナム」を設立し、インスタントラーメンやカップラーメンを製造しています。高品質で安価な「ハオハオ」というインスタントラーメンが大ヒットして圧倒的なシェアを獲得しました。その後に多くの企業が即席めんマーケットに参入しますが、エースコックベトナムはブランド力と高品質を背景に圧倒的なシェアを維持しています(2010年の国内シェアは約65%)。現在、ベトナムの即席めんマーケットは年間消費量が約40億食の規模にまで拡大しており、これからも高成長が予想されています。

エースコックが2010年度に計上した売上高のうち38%に当たる331億円はエースコックベトナム社のものです。ベトナムの売上は7年足らずで全体の約4割を占めるまでに成長したことになります。ベトナムにとどまらず近隣諸国への進出に意欲を示しており、東南アジアの発展とともに海外部門の売上を伸ばしていくと思われます。

他にも、キリンホールディングスがベトナムへの進出を加速させています。2008年5月に同社(出資比率:51%)とエースコック(同39%)、エースコックベトナム(同10%)でキリン・エースコック(ベトナム)飲料有限責任会社を設立しました。キリンビバレッジの飲料事業でのマーケティング力と製造技術力、エースコックグループの販売ネットワークを融合させることを目的としています。今年5月末にキリンホールディングスがキリン・エースコック(ベトナム)飲料有限責任会社を完全子会社化し、社名をベトナムキリンビバレッジ有限責任会社に変更しました。

また、今年の3月10日にもホーチミンに上場しているインターフード(IFS)の株を57.25%取得したと発表しています。インターフードは非炭酸果汁飲料のマーケットで約60%のシェアを持っています。

ベトナムの清涼飲料市場は300億円程度(2009年)とまだまだ小さいですが(日本は3〜4兆円)、経済の成長とともにマーケットは急拡大することは間違いありません。キリンホールディングスは今回のM&A(企業の合併・買収)を活かし、東南アジア進出の足場を固めると思われます。

(大鳥 洋子)

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