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新興国情報

格安航空の勝ち組エアアジアCEO、自動車メーカーへの野望
2011/06/17

マレーシアの格安航空会社(Low Cost Carrier:通称LCC)エアアジアといえば、LCCの勝ち組と日本では称される会社。

エアアジアは、政府系重工業のDRBハイコム傘下の会社として1993年に設立されたが、その後数年で経営難に陥る。その経営難に陥ったエアアジアを救ったのが現最高経営責任者(CEO)トニー・フェルナンデス氏その人である。

彼は2001年にわずか1リンギット(リンギットはマレーシアの通貨で、1リンギットは約25円)でエアアジアを買収したのである。エアアジアが成功した今となってはこの買収劇は有名な話となっているが、当時のエアアジアは約10億円もの負債を抱え、所有航空機わずか2機というありさまだった。おまけに買収契約に至ったのはアメリカの9・11のわずか3日前ということで、普通の人が考えれば最悪のタイミングだった。もちろんトニー・フェルナンデスはそのような状況を航空機が安くリースできるなどポジティブにとらえていた。

エアアジア買収後も順風満帆ではなかった。現在エアアジアはクアラルンプールのLCC専用ターミナルを本拠として構えているが、この本拠地を構えるにも自身が希望した空港利用案はことごとく政府などの役所によって拒否された。政府がマレーシアのフラッグ・キャリアであるマレーシア航空の弱体化を懸念したためと言われている。フェルナンデス自身メディアとのインタビューで「エアアジアの発展は、マレーシア政府とマレーシア航空との戦いの歴史」と評するほどである。この言葉を聞くと、日本だけでなくどこの国でも政府は既存の企業を保護し、そして新たなビジネスの芽は摘もうとするものなのだろうかと思ってしまう。

その後、エアアジアはマレーシア政府やマレーシア航空との戦いに事実上勝利したことで現在格安航空会社として拡大を続け、2010年にはエアアジアの長距離専門会社であるエアアジアXが日本に就航したのは記憶に新しい。

現在、フェルナンデス氏が世界から注目を集める点といえばもちろん上述した成功した格安航空会社の経営者という面があるが、それに続いて自動車レースの最高峰であるF1にロータスという世界的なスポーツカーブランドをひっさげてチーム(チーム・ロータス)を設立し、オーナーとしてレースに参戦していることだろう。

そして、2011年4月今度はイギリスの老舗スポーツカーメーカであるケーターハムを買収し、ついに市販車ビジネスに参入してきたのである。ケーターハムは年間500台程度を生産する小規模な自動車メーカーで、日本ではあまり名前を聞かないかもしれないが、セブンという車が有名で、日本でも正規輸入販売がされていることから根強いファンがいるものと思われる。

フェルナンデスは今後F1レースでのブランド認知力を活かしてケーターハムの拡大を図るというのがもっぱらの噂であるが、年間20万人という乗客数からわずか9年で3,100万人にまで乗客数を拡大したエアアジアのように自動車メーカーを育てようとしているのだろうか、トニー・フェルナンデス氏の今後のビジネス展開は世界から注目を集めている。

(しむしむ)

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