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韓国の銀行スキャンダル、カンボジアで220億円使途不明
2011/06/20

問題となっているカムコシティ。プノンペン北部の大規模ニュータウン。

韓国の釜山貯蓄銀行における不正融資などの事件で、同行頭取、韓国金融監督当局関係者などが逮捕されています。すでにこの2月から同行は業務停止となっています。釜山貯蓄銀行は、プノンペンの北側で大規模ニュータウン開発を行っているカムコシティプロジェクトのメインバンクです。カムコシティでは、建設業者の韓一(Hanil)建設が代金支払い(約31億円)が滞っているとして、昨年10月から工事を止めていたとのことです。

新聞報道によりますと、カムコシティ事業が事実上ストップした昨年12月までに事業推進会社のランドマーク・ワールドワイド(LWW)に流れた資金は4,300億ウォン(約319億円)でした。うち、釜山貯蓄銀行は2005年以降、ペーパーカンパニーを通じ、2,984億ウォン(約221億円)をプロジェクト融資方式で貸し付け、KTB資産運用も私募ファンドを通じ、799億ウォン(約59億円)を融資していました。これに加え、LWWが07年以降、カムコシティで住宅240戸を分譲して受け取った代金が総額500億ウォン(約37億円)あるとのことです。

しかし、これまでに事業費などとして支出された金額は約1,300億ウォン(約96億円)にとどまっています。内訳は開発用地132平方メートルの土地取得費用に400億ウォン(約30億円)、施工会社の韓一建設に対して支払われた土地埋め立て費用100億ウォン(約7億円)、建築費800億ウォン(約59億円)です。

流入した事業資金4,300億ウォン(約319億円)から実際に支出された1,300億ウォン(約96億円)を差し引くと、3,000億ウォン(約223億円)の残高がある計算となりますが、この金額が使途不明となっているとのことです。

在カンボジア韓国商工会議所の南会長は、カムコシティプロジェクトの進捗はこのままでは不可能となるので、韓国政府がこれを引き継いで完成させるべきであると述べています。

また、カンボジアで設立されたカムコ銀行の筆頭株主も釜山貯蓄銀行となっており、カンボジア中央銀行(NBC)の金融諜報部は、同行の特別監査を開始したとしています。カムコ銀行は、最低資本金規制の強化に伴い、商業銀行から特殊銀行への格下げが決定していました。

この他、釜山貯蓄銀行は、シェムリアップの新空港建設(約89億円)、高速道路(約40億円)に投融資を行っているとされますが、いずれの事業も事実上実施されておらず、資金回収ができるかどうかは不透明となっています。

(鈴木 博)

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