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新興国情報

日米が官民一体でベトナム投資、日本は成長市場参入へ布石
2011/08/02

7月26日付の日本経済新聞の夕刊一面で「東南アジアで整備、日米が支援」という記事が大きく取り上げられました。これは日本の国際協力機構(JICA)とアメリカの国際開発局(USAID)が協力し、東南アジアのインフラ整備をサポートするというものです。ベトナム、フィリピン、インドネシア、カンボジアなどが対象ですが、具体化の第一弾としてベトナムに投資されます。官民が連携し設計、建設、運営までを行うPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)方式が採用される予定です。

日本のメリットとしては、プラントの輸出の拡大など今後の成長市場へ参入していくための布石になることです。アメリカのメリットは元々アジア圏ではない国なので、中国に対抗するためにも、アジアでの影響力を持てることです。それはスプラトリー(南沙)諸島問題のときもアメリカが介入していることからも分かると思います。

どのような枠組みが検討されているのか、もう少し詳しく見ていきたいと思います。JICAは日本の政府開発援助(ODA)の実施機関の1つで、今回は民間企業以外にも世界銀行やアジア開発銀行(ADB)も含めてインフラの投資ファンドを立ち上げるとのこと。そのファンドを通じてベトナムのインフラプロジェクトに投資するようです。またUSAIDは非軍事の海外援助を行う政府組織で、JICAと違う角度でサポートしています。JICAはファンドを設立するのに対し、USAIDは今回のプロジェクトへの融資に最大50%の保証を付けることで金融機関に出資を促す方針です。日米どちらの方針にしても、まだまだ信用力の低いベトナムの代わりに先進国が保証することで、新興国に資本を流入させようとしています。

ベトナムはインフラなどの整備のために今後20年で30兆円規模の膨大な投資が必要とされているそうです。その資金を調達したいベトナム政府にとっても願ってもないプロジェクトと言っていいでしょう。

PPP方式を採用し行政と民間を参入させることで、民間はプロジェクト推進の負担の一部を日米政府が持つことでリスクの回避やプロジェクトの透明性が確保できますし、行政は資金の一部を民間に持ってもらうことでプロジェクトをより大きく展開できます。

東南アジアを結ぶ東西回廊、第2東西回廊が作られるなか、東南アジア諸国の経済はどんどんと一体化すると思われます。そのような状況で今回のプロジェクトを通し、日米越がウィンウィンの関係になることを願っています。

(大鳥 洋子)

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