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新興国情報

額面割れ続出、壊滅状態のベトナム株に起死回生はあるのか
2011/08/23

ベトナムではVN指数やHNX指数が低迷するなか、個別銘柄も厳しい展開を迫られています。8月18日現在、ホーチミン上場の295銘柄中、124銘柄が額面割れ(42.0%)。ハノイ市場も388銘柄中、222銘柄が額面割れ(57.2%)という悲惨な状態です。

呼び値単位(株価の最低変動単位)はハノイがすべて100ドン刻み。ホーチミンは前営業日の終値によって変わります。5万ドン未満が100ドン刻み、5万ドン以上−10万ドン未満が500ドン刻み、10万ドン以上が1,000ドン刻みとなっています。

また、1日の値幅制限は5%です。しかし最近1日の値幅が5%を超える銘柄が出てきました。株価が2,000ドンを割り込み、呼び値単位の100ドン動いただけで値幅制限の5%を超えてしまうのです。ホーチミン・ハノイ市場ともに額面は1万ドンです。額面を割るということは経営が破たん状態にあることを指します。その額面割れにとどまらず、額面の5分の1以下まで値下がりするという異常事態が今のベトナム起きているのです。分かりやすく言えば、あの東京電力<9501>の額面が500円で18日現在の終値が430円です。額面の5分の1まで下落するにはさらに76.7%売られなければなりません。

VN指数のPERで見ても約8.5倍とかなり割安な水準まで下落していることが分かるかと思います。周辺諸国と比較してもハンセン指数が約9.4倍、タイSET指数が約13.0倍、ジャカルタ総合指数が約16.0倍と値ごろ感があります。一つの目安ですが、PERの目安は15倍ですので、約8.5倍のベトナムはかなり割安感があると言っていいと思います。

ここまで売り込まれるのは、ベトナムのファンダメンタルズが悪化しているためです。いつも話していることですが、高インフレと貿易赤字がネックとなっています。高インフレは国民の生活を脅かし、貿易赤字は外貨不足という構造的問題を持ちます。世界的に米ドル安が続くなか、対ベトナムドンではそれほど米ドル安は進んでいません。それどころか、最近はドル高になるのではと言われているほどです。その原因は外貨不足で、物理的に足りていないため、経済に歪みが生まれているのです。

逆にファンダメンタルズが安定してくれば、非常によい買い場になることは間違いありません。直近のポジティブ材料としては、税関総局が7月の貿易収支が黒字になったと発表しました。単月ではありますが、貿易収支が黒転するのは2年4カ月ぶりのことです。また、ベトナムドン切り下げから半年が過ぎ、金融引き締めを継続してきた成果がそろそろ出てくるころではないかと期待しています。まずは25日前後に発表される8月の消費者物価指数(CPI)に注目したいです。

(大鳥 洋子)

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