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新興国情報

岐路に立つベトナム市場、8月CPIが前月比で1年ぶりに1%割れ
2011/08/30

ベトナムで今月24日に8月のCPI(消費者物価指数)が発表されました。前年同月比で23.02%上昇と7月CPI上昇率22.16%を上回ってしまいましたが、前月比では0.93%と12ヵ月ぶりに1%を割り込んだことはポジティブです。市場がどう判断するかは微妙ですが、大きな岐路に立っています。比較的、海外は前年同月比を重視し、ベトナムは前月比を重視する傾向があるように思います。


前月比のCPI上昇率(10年1月〜11年8月)

データの比較時期が違うだけなので、前月比の上昇率鈍化が続けば、当然前年同月比も減速していくはずです。前年同月比でCPI上昇率が加速していても、インフレが収まりつつあると言っていいと思います。実際に最近の前月比は4月の3.32%をピークに下落傾向にあり、ベトナム政府が気を緩めずに金融引き締めを続けられるかどうかに注目です。

今年の7月、前年比でCPIが2ヵ月連続で下落したことを受けて、中央銀行が主要政策金利の1つであるリバースレポ金利を15%から14%に引き下げました。これには国内外から多くの批判が上がりました(7月12日の記事「ベトナム中銀、金利引き下げは時期尚早か」を参照)。このようなことのないように長期的な視点を持って、しっかりと金融引き締めを継続していくことが大切と考えています。

また前回の記事で、「税関総局が7月の貿易収支が黒字になったと発表した」と書きました。黒字額は11億ドルで、2年4カ月ぶりの黒転です。宝石・貴金属の7月輸出額は前年同月比38%の11億米ドルに拡大し、8億5000万米ドルの黒字を計上したことが大きく寄与しています。しかしこれは突発的なものである可能性が高く、安定的な黒字にはつながらないと思われます。8月の貿易収支予想は赤字に転落するとの見通しが出されています。

まだまた不安定な状態ですが、ちらほらとポジティブなニュースが散見されています。先々週の4日間(15〜18日)でVN指数が約5%上昇しました。このまま国内外の経済が安定すれば、上昇トレンド入りする可能性も高くなります。

(大鳥 洋子)

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