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新興国情報

ベトナムの銀行預金金利が低下、VN指数が急上昇
2011/09/20

8月中旬からVN指数が急伸しています。8月12日の終値である383.92ポイントから9月15日の470.67ポイントまで、1カ月強で22%の上昇を記録しました。長期に渡り低迷していたVN指数が反発した理由はいくつか考えられますが、その1つとして「銀行の預金金利の低下」があります。

銀行は預金金利を年利14%以下に抑えなければなりませんが、ボーナス金利やキャンペーン金利などの名目で上乗せされ、実質的は19%前後まで上昇していました。同金利が高止まりしているため、貸出金利も22%前後と高い水準で推移し、企業の経営を圧迫するという状況が続いていました。しかし、最近預金金利が14%まで低下したことが追い風となっています。

以前から預金金利の上限は14%とされていましたが(貸付金利は17〜19%)、守られる気配がなく、形式的なものと化していたのです。多くの銀行が預金の獲得に躍起になり、預金金利を引き上げるなかで、1行のみが金利の上限を厳守すれば、他行へ預金が大量に流入する恐れがあります。そのため、どこの銀行も預金金利の上限を守ることはできませんでした。

しかし、中央銀行が「預金金利の上限を超えた銀行に対し、CEO(最高経営責任者)の解任や事業拡大の制限などの罰則を課す」と発表したことで、やっと金利が低下したのです。これは金融緩和と同じ意味を持つため、IMF(国際通貨基金)は中銀が金利の引き下げを主導していることに対し、時期尚早との見解を明らかにしています。IMFは前月比ベースでやっと減速してきたCPI(消費者物価指数)が再び加速することを懸念しているのです。

注目される9月のCPIは今週末か週明けに発表予定です。予想では8月よりも減速するとの見方が大半を占め、インフレ後退への期待が高まっています。10月以降の動向も注視していきたいです。ベトナム政府は今後も難しい舵取りを迫られそうです。

構成ウエイトの大きい銘柄の値動きに注意

VN指数は一部の大型株の構成ウエイトが高く、マサングループ(MSN)が15%、バオベトグループ(BVH)が11%と2銘柄で4分の1を占めています。そのため、指数はホーチミン市場の実態を反映していないことも多くあるので注意が必要です。

指数が上がっているにも関わらず、上昇銘柄より下落銘柄が多い場合は上記の2銘柄が上昇しています。この状態が続く際は特に注意が必要で、大型株の利益確定と同時に指数が急落する可能性が高いです。

今回は8月12日〜9月15日までにMSNが61%、BVHが54%値上がりし、相場をけん引してきました。この2銘柄の利益確定売りに押される局面では、指数は大きく下落するはずです。

このように、指数の動きだけでなく、構成ウエイトの大きい銘柄との関係性に注意を払うことで、よりリスクを回避できると思います。

(大鳥 洋子)

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