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新興国情報

ベトナムの9月CPIが下落、インフレ抑制狙い追加金融引締め
2011/10/04

9月24日に発表されたベトナムの9月の消費者物価指数(CPI)は前月比で0.82%の上昇と2カ月連続で下落、前年同月比でも22.42%の上昇と13カ月ぶりに下落に転じました。インフレが抑制されていることが再確認されています。現在コモディティーが全面的に下落していることも追い風となり、インフレ圧力は弱まっています。

ベトナムのCPI(前月比)

ベトナムのCPI(前年同月比)

そんななか、新たな金融引き締め策が発表されました。今年の2月21日に2011年の貸付成長率目標を23%から18〜20%未満に引き下げることと4つの政策(歳入の増加、財政赤字を5%以下に抑制、政府投資の再検討、財政貸出の10%削減)で合計110兆ドン(約4,070億円)のマネーサプライ(M2)を削減するとしていました。今回はさらに「貸付成長率目標を20%から15〜17%に、M2を16%から12%に引き下げる」とし、追加の金融引き締めを発表しています。

手綱を緩めずにインフレ退治を継続していけば、年末までにCPI上昇率はかなり下がってくると思われます。目先は株式市場の上値を抑える悪材料になっても、中長期的には安定成長につながる大切な政策ですので、徹底してもらいたいです。

しかし前回、政府が預金金利の上限を厳守させ、同金利が下落しているという記事を書きました。ほかにも、7月4日に主要政策金利の1つであるリバースレポ金利を15%から14%に引き下げたり、9月19日にOMO(公開市場操作)での融資期間を7日から14日に延長し、市中銀行の資金流動性の改善を図っています。

金融引き締めとは逆行した政策です。IMF(国際通貨基金)に「貸出金利の引き下げを主導するのは時期尚早」と言われているのに、なぜこのようなことをするのか?高インフレを受けて、貸出金利が高止まりし、資金調達難に陥っている企業が多くあるためです。倒産企業が増加しているというニュースが伝えられており、かなり厳しい状態のようです。

そのため、通常インフレが収まってから金利を引き下げるのですが、ベトナム政府はインフレ抑制と金利低下を同時に行おうとしています。気持ちはわかるのですが、金融引き締めの効果を削ぎかねないだけに、海外からの目は厳しいです。
 「二兎追うものは一兎をも得ず」にならぬよう願いながら、注視していきたいと思います。

(大鳥 洋子)

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