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新興国情報

欧米やアジアの投資信託大手、ルーブル建て債券投資を活発化=原油高背景に
2011/04/13

世界の大手投資信託運用会社がロシア・ルーブル建て債券投資を強めている。世界最大の債券ファンド投資会社ピムコを始め、米同業大手ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントや英ヘッジファンド運用大手のGLGパートナーズに加え、最近では韓国勢もルーブル建て債券投資を積極化させている。

韓国の株式投資信託運用最大手ミラエ・アセット・グローバル・インベストメント(運用資産額400億ドル=約3兆4,000億円)がそれだ。同社は、最近の原油高を背景に主要20カ国・地域(G20)の通貨の中で最大の上昇率を見せているロシア通貨ルーブルは、今後も一段高になるとの思惑で、ルーブル建て債券への投資を強めている。

ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのジム・オニール会長も3月17日にロンドンで行った講演で、ロシアの資産は割安となっており、新興国の中でも投資魅力は群を抜いている、と高い評価を示している。GLGもルーブル高は最大の魅力の1つになっていると指摘する。

ミラエの債券投資部門の責任者、ホ・ジュンヒョク(Heo Joon-hyuk)氏は、「原油価格の高騰とルーブル高を考えると、ルーブル債のパフォーマンスは今後、トップクラスに入っていくだろう」と指摘する。特に、北アフリカのリビアへの米国を中心とした多国籍軍の攻撃で原油価格が3月末時点で年初来14%も急騰していることや、世界最大の原油輸出国であるロシアの急速な景気回復で、ルーブル債のパフォーマンスは引き続き上昇するとみている。

ちなみに、ルーブルの対ドルレートは今年1−3月期で7.8%上昇と、2009年以来2年ぶりの大幅上昇を見せているが、これはインドのルピーがほとんど変わっておらず、ブラジルのレアルや南アフリカのランドが下落しているのとは対照的だ(注:レアルは3月29日から対ドルで上昇に転じている)。

また、JPモルガン・チェースが算出する新興国の債券指数でみると、年初来でロシア・ルーブル建て債券は2.5%上昇しており、中国・人民元建て債券の0.8%上昇やインド・ルピー建て債券の1.6%上昇、ブラジル・レアル建て債券の1.5%上昇を上回っている。

ミラエの旗艦債券ファンド「グローバル・セキュリティーズ・マスター・インベストメント・トラスト」のポートフォリオではロシアを含む東欧が全体の18%を占めるが、そのうち、ロシアの比率は7.1%と、東欧諸国の中では最大で、国別でも韓国や中国、米国に次いで4番目に大きい。

また、ミラエでは米国はインフレ抑制のため、早期に6,000億ドル(約51兆円)の追加国債買い取りによる量的金融緩和政策を終わらせ、また、欧州も早期に利上げ政策に転換するとの憶測(注:欧州中央銀行(ECB)は7日に利上げを決定)から、ドル建てやユーロ建ての債券投資を削減し、ポートフォリオの現金比率の引き上げやルーブル建て債券への投資拡大に向かったようだ。

(増谷 栄一)

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