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中東企業の幹部を探る――アブダビ商業銀行の顧問に「超大物」就任
2011/04/14

アブダビ首長国内で資産規模第2位のアブダビ商業銀行の顧問に英国のデービス・アバソック卿が就任した。

デービス・アバソック卿は英国政府の貿易、投資および中小企業担当相、ビジネス・イノベーション・技能担当相、外務・英連邦担当相を2009年1月−2010年5月まで務めたほか、2006年11月−2009年1月まではゴードン・ブラウン前首相に任命され、スタンダード・チャータード銀行会長に就任している。

さらに風力発電企業ノルディック・ウィンドーパワー社の会長、金融情報サービスのブレーキングビュー・リミテッド社、人気サッカークラブのトッテナム・ホットスパー、トリニティ・リミテッド、UKインドビジネスカウンシルの社外取締役、2008年までは世界的なスーパーマーケットであるTESCOの取締役も歴任している。

現在はパインブリッジ・インベストメンツと、香港の大富豪、李嘉誠氏の次男で、香港通信最大手PCCW会長の李澤楷(Richard Li)氏率いる資産運用会社パシフィック・センチュリー・グループの非常勤会長を務めている。

このような超大物が、今後、アブダビ商業銀行の顧問として、同行の取締役会に出席し様々なアドバイスを行っていくことになる。

中東の企業にもこのような大物が関与するようになっている。

実は、中東の小売王との異名を持ち、中東におけるカルフールのフランチャイジーでもある、UAE(アラブ首長国連邦)のマジド・アルフタイム財閥の元会長が、スウェーデン人のP・G・ユーレンハンマー氏であったことを知っている日本人はほとんどいないのではないだろうか。ロスチャイルド・ヨーロッパ副会長、ラザール・フレール顧問、ボルボ社長、チェース・マンハッタン銀行国際諮問委員などを歴任した人物だ。

ユーレンハンマー氏とのコネクションにより、マジド・アルフタイム財閥はスウェーデンの家具小売チェーンIKEAのフランチャイジーとなり、自社が運営するショッピングモール内にIKEAを入居させているほか、IKEAの建物を建設するのもマジド・アルフタイム財閥傘下の不動産デベロッパーとなっている。

中東企業を紹介する書籍などは、今のところ日本ではあまり出版されていないが、中東企業の取締役はどんな人物で、株主構成はどうなっているかまで詳しく書かれたものでなければ、中東企業の本質は全く見えてこないと断言してもよいだろう。

また、中東企業は、上場している企業よりも、商取引の9割以上を牛耳る未上場の財閥系企業について知ることが一番大切だということも知っておいていただきたいと思う。

(マウリーシ・ハーリド・ビン・アルワリード)

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