スペシャルインタビュー 深野 康彦氏

深野 康彦氏

有限会社ファイナンシャルリサーチ代表/ファイナンシャルプランナー
深野 康彦(Yasuhiko Fukano)氏
1962年埼玉県生まれ。大学卒業後、クレジット会社を経て1989年4月に独立系FP会社に入社。以後、金融資産運用設計を中心としたFP業務を研鑚。1996年1月に独立し、現在のファイナンシャルリサーチ(2006年1月設立)は2社目の起業。FP業界歴25年目のベテランFPの1人。新聞、マネー誌や経済誌、各種メールマガジンへ執筆や取材協力、テレビ・ラジオ番組などの出演を通じて、投資の啓蒙や家計管理の重要性を説いている。著書に『会社が傾いても「自分だけは大丈夫」病』(講談社)、『これから生きていくために必要なお金の話を一緒にしよう!』、『あなたの毎月分配型投資信託が危ない』(ダイヤモンド社)など多数。

相続対策しながら資産運用は可能?〜資産運用相談室〜

【質問】

平成25年度の税制改正で大きく税制が変わったと聞きました。相続対策をしながらうまく資産運用していきたいと考えていますが、どのような方法が良いですか?

【回答】

 平成25年(2013年)度の税制改正では、相続税の控除額が大幅に減額されることが決まりました。これまで基礎控除5,000万円+1,000万円×法定相続人数だったものが、基礎控除3,000万円+600万円×法定相続人数というように、控除額は4割減となります。控除額が減額されるのは平成27年(2015年)1月からですが、平成25年度の改正で相続税を負担する人は倍増するとも言われています。相続の悩みは、決して他人事で済まされなくなりつつあることから、早めの相続対策が必要になると考えられます。

 ご質問では、相続対策をしながら資産運用を考えているようですが、相続対策は早めに資産をお子さんやお孫さんに移転(贈与)する、言い換えれば実際の相続時における課税資産を減らすことが重要になります。資産運用は、本人よりも資産を贈与したお子さんやお孫さんに行ってもらう方が良いでしょう。なぜなら、本人が資産運用を行った結果、資産が大幅に増えてしまうと課税資産を増やすことになり、結果として相続対策にはならないからです。課税資産を減らすという観点、かつ簡単に出来る相続対策は贈与があげられます。1人年間110万円まで贈与税(暦年贈与)がかかりませんので、たとえば100万円をお子さんやお孫さんに贈与されてはいかがでしょうか。お子さん、お孫さんが20歳以上であれば、NISA口座を開設してもらい、贈与したお金で資産運用してもらうのです。その際、贈与を行う本人がお子さんやお孫さんに資産運用のアドバイスを行われてはいかがでしょうか。

相続税の基礎控除の減額

相続税の基礎控除の減額

 資産運用がうまく行った暁には、今までと違った喜びがあると思われます。贈与で注意したいには、贈与後の資金管理はお子さん、お孫さんに行わせることです。贈与者本人が管理してしまうと、単なる名義を分けているだけと判断されかねないからです。また、亡くなる3年前までの贈与は贈与と認められなく、相続財産と判断されます。贈与を行う場合は、早めに実行に移されるとよいでしょう。

 運用利回りは高くはありませんが、お子さんやお孫さんなどに資産を残すのであれば、現金よりも生命保険を活用されると課税資産を減らすことができます。生命保険金の死亡保険金は、500万円×法定相続人数まで控除することができるからです。たとえば、相続人が3人いれば500万円×3人=1,500万円まで課税資産に含まれることはないのです。契約時に一括して保険料を払い込む「一時払い終身保険」を活用すれば、実際の掛け金は死亡保険金よりも少ない金額で済むはずです。たとえば、住友生命保険の一時払い終身保険「予定利率変動型5年ごと利差配当付き逓増終身保険」の場合、死亡保険金1,000万円、男性では、60歳の保険料は875.05万円、65歳は897.63万円、70歳は917.97万円になります。死亡保険金と一時払い保険料の差額は使ってしまっても、きちっと資産を相続人に残すことができるわけですから、収益と捉えてもよいと思われます。

上記の他にも、要件を満たしていれば資産運用とはかけ離れますが、「教育資金の一括贈与についての非課税制度」や「住宅取得資金の贈与非課税制度」など、相続対策にはさまざまな方法があることから、相続税を心配されているのであれば、早めに税理士に相談されることをお勧めします。

(2014年02月24日)

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