スペシャルインタビュー 神戸 孝氏

神戸 孝氏

FPアソシエイツ&コンサルティング株式会社 代表取締役
ファイナンシャル・プランナー
神戸 孝(Takashi Kambe)氏
早稲田大学法学部卒業。三菱銀行、日興證券を経て、99年FPアソシエイツ&コンサルティングを設立。日興證券勤務時代を併せるとFP歴は約25年、資産運用に強いFPの第一人者として評価が高い。日本FP協会理事、金融庁金融経済教育懇談会委員、同金融審議会専門委員などを歴任する。

退職後の生活にNISAを賢く活用するには〜資産運用相談室〜

【質問】

昨年定年退職して退職金を受取りました。しかし、これからは年金以外に収入が無くなってしまうので、先行きに不安があります。NISAも始まったので、真剣に資産運用を考えたいと思いますが、どのように運用したらよいですか?

【回答】

 退職後の資産運用を考える前に、まずはセカンドライフをどうすごしていきたいかをご夫婦で話し合うことが大切です。例えば、ご主人が田舎に移り住んで晴耕雨読の日々を過ごしたいと思っていても、奥様が同じ生活を希望しているとは限りません。どこに住んで、どういう生活をしていきたいかをできるだけ具体的に考え、ご夫婦の場合はお二人でよく話し合った上で、毎年の生活費やリフォームなどのイベント費用、それらを賄う年金などの収入や保有資金の推移の予想などを、下表のように90歳くらいまで数字にして書き出してみるといいでしょう。

キャッシュフロー表の一例

キャッシュフロー表の一例

 その結果、特に運用しないでも資金が足りそうということであれば、要介護状態やハイパー・インフレなどの万一の場合に備えることを考えればいいでしょう。また、運用しないと80歳ぐらいで資金が足りなくなりそうだが、資金全体を年2〜3%で運用していけば、90歳になっても枯渇しないで済みそうということならば、それほど大きなリスクを取る必要はなく、その利回りを当面の目標として運用を行っていけばいいということになるでしょう。

 実際に運用を行う際には、金融資産を、緊急時にすぐに使えるお金、数年以内に使う予定のあるお金、使う予定のないお金の3つに分けることから始めます。というのも、3グループでそれぞれお金の置き場所(適切な商品)が異なるからです。すぐに使う、あるいは公的年金だけでは不足する収入の補填を含めて数年以内に使う予定の資金は、一般的に預貯金や円建て債券のような流動性や安全性の高い商品や年金受取型の商品にしておきます。特に使う予定のない資金は長期の運用が可能なので、値動きの異なる資産クラスの商品を組み合わせて、リスクのコントロールとそこそこの収益性を目指したポートフォリオ運用を行っていくといいでしょう。

 その中でNISAを活用するとすれば、公的年金だけでは賄えない余暇費などを補填するために年金型で受取る商品として、毎月分配型ファンドの購入が考えられます。普通分配金を中心に払い出すタイプのファンドを購入すれば、5年間(ロールオーバーすれば10年間)は20%の税金をとられずに分配金を全額受取ることができます。

 また、リタイア世代にとって最大の敵といえるインフレへの対応策として、長期に運用できる資金の一部で外貨建ての金融商品をNISA口座で毎年購入していくことも考えられます。具体的には、外債ファンド、外国の株式や外国株ファンド、グローバルREITファンドなどが選択肢です。こちらもNISA口座で購入すれば、譲渡益を含めて非課税となります。一方、NISA口座でリスクのコントロールとそこそこの収益性を目指してポートフォリオ運用を行いたいという場合には、運用効率(シャープレシオなど)が高めのバランス型のファンドの中から、株式の比率があまり高くないものを選択するという方法が一般的といえるでしょう。

(2014年2月24日)

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