スペシャルインタビュー 竹川 美奈子氏

竹川美奈子氏

LIFE MAP,LLC代表/ファイナンシャル・ジャーナリスト
竹川 美奈子(Minako Takekawa)氏
出版社や新聞社勤務を経て独立。2000年ファイナンシャル・プランナー資格取得。書籍や雑誌などで幅広く取材・執筆活動を展開、金融商品・サービスについて投資家目線に立った情報発信を行っている。投資信託やETF、マネープランセミナーの講師なども務める。『株、投信を買うなら必見!税金がタダになるおトクな「NISA」活用入門』『はじめての「投資信託」入門』(共にダイヤモンド社)など著書多数。

住宅購入資金のために適した資産運用法は?〜資産運用相談室〜

【質問】

5年後に住宅購入を予定しており、NISAも始まったので頭金を用意するために積立や資産運用を検討しています。どのような計画を立てればよいですか?

【回答】

 5年後に住宅を購入するための頭金をつくることが目的であれば、無理にNISA(少額投資非課税制度)を利用する必要はないと考えます。

 例えば、「確定拠出年金(DC)とNISAを目的に応じて使い分けることが大切」といった記事を目にすることがあります。その際、「住宅ローンの頭金や教育資金など短期的な資産形成なら、引き出しが自由なNISAで」というふうに記載しているものもあります。

 しかし、現状ではNISAは口座開設期間10年、非課税期間5年と期間が限られた制度です。しかも、対象となる金融商品は株式やETF(上場投信)、公募株式投信といった投資商品です。住宅資金が必要になる5年後に購入した金融商品が値上がりし、利益がでているとは限りません。

 とくに5年程度では相場が一方向に動くことも考えられます。リスクを抑えた(値動きの小さい)商品を選んだとしても、元本割れの可能性がないとはいえません。万一に備えるお金や住宅の頭金などを貯める目的であれば、敢えてNISAを利用しなくてもいいでしょう。

 たしかに、1999年からISA(Individual Savings Account)を導入している英国では、住宅の取得目的でISAを利用している人もいます。昨年(2013年)2月に英国にISAの視察に訪れた際も、「Cash ISA(預金型ISA)は限度額いっぱいまで使い、休暇用の資金や住宅取得など短期的な目的のために利用している。株式型ISAは子供のため、退職後のためといった長期的な視点で投資をしている」という声もありました。ただし、英国では、コメントにあるように、「株式型ISAだけでなく、預金型ISAもある」「制度・非課税期間ともに恒久化されている」という背景があります。今の日本の制度とは異なる点は留意が必要です。

 現状の制度を考えると、住宅の頭金を貯めるには、

  • ・住宅財形貯蓄
  • ・定期積立預金

といった、従来通りの制度・商品を利用すればよいのではないでしょうか。

 たとえば、会社員で勤務先に財形貯蓄制度があるかたは、「財形住宅貯蓄」の利用を検討しましょう。住宅を取得する目的で、「満55歳未満」「事業主を通じて天引きで預け入れをする」「5年以上の期間にわたり、定期的に積立てを行う」といった要件を満たすと、預金は元利合計550万円を限度として(保険型商品は払込保険料累計額550万円まで)利子などが非課税扱いとなります。

 積立期間は原則5年以上ですが、マイホーム取得のために解約する場合には5年以内でも解約が可能です。ただし、住宅購入以外の目的で払出しを行うと、5年間遡って利子に課税されてしまう点は注意が必要です。

  勤務先に財形貯蓄制度がない、あるいは自営業のかたなどは、自動積立定期預金などを活用しましょう。

(2014年2月24日)

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