スペシャルインタビュー 竹川 美奈子氏

竹川美奈子氏

LIFE MAP,LLC代表/ファイナンシャル・ジャーナリスト
竹川 美奈子(Minako Takekawa)氏
出版社や新聞社勤務を経て独立。2000年ファイナンシャル・プランナー資格取得。書籍や雑誌などで幅広く取材・執筆活動を展開、金融商品・サービスについて投資家目線に立った情報発信を行っている。投資信託やETF、マネープランセミナーの講師なども務める。『株、投信を買うなら必見!税金がタダになるおトクな「NISA」活用入門』『はじめての「投資信託」入門』(共にダイヤモンド社)など著書多数。

NISA口座での積み立て購入について〜資産運用相談室〜

【質問】

NISA口座で投資信託の積み立てはできますか? また、積み立て購入の場合はどのようなことに気をつければよいですか?

【回答】

 金融機関によっては、NISA口座で毎月一定額ずつ自動的に投信を購入していく「積立」を利用することはできます。対応は金融機関によって異なりますが、大手金融機関はおおむね対応するようです。たとえば、SBI証券やカブドットコム証券、マネックス証券、楽天証券、フィデリティ証券などのネット証券、野村証券や大和証券、SMBC日興証券などの大手証券、三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行、みずほ銀行などの都市銀行などはNISA口座で投信積み立てを行うことができます。

 まずは金融機関を選ぶときの注意点を挙げました。

対象となる商品の確認

 通常の課税口座(特定口座・一般口座)で購入できる投信とNISA口座で購入できる商品は異なる場合があります(たとえば、分配金再投資コースは取り扱わないなど)。各資産クラスの商品がそろっているか、インデックスファンドの取り扱いはあるか、取り扱い商品のコストなどを確認しましょう。

最低積立金額はいくらか?

 1商品につき500円から積み立てができる金融機関(SBI証券やカブドットコム証券)もあれば、1000円(楽天証券など)、1万円という金融機関もあります。

引き落としできる口座は?

 投信積み立てを行う場合、毎月自動的に銀行の預金口座または証券口座(預かり金またはMRF)から自動的に投信を買い付けていく形になります。どの金融機関の口座から引き落としが可能なのかを確認しておきましょう。たとえば、銀行の給与振込口座から自動的に引き落としができると便利です。

次に積み立てをする上での注意点です。

下降トレンドでは時間分散してもダメ

 投資信託を毎月一定額ずつ購入していくので、値下がり時には投資信託の口数を多く購入し、値上がり時には投資信託の口数を少なく購入します。結果として安値圏内においてたくさんの口数を購入できるのが、投信積み立てのメリットとされます。

 ただ、どんなに時間分散しても、最終的に値上がりする局面が来ないと(つまりずっと下降トレンドにある)投資対象を購入した場合には、時間分散効果を狙っても、結果的に大きな損失を抱えてしまう場合があります。そう考えると、たとえば、世界の株式に幅広く分散投資をするというような、分散効果の高い投信などに投資したほうがいいでしょう。とくに(現状では)NISA口座の非課税期間は5年、ロールオーバーしても10年という期間限定となっているからです。逆に、特定の国の株式に特化して投資する場合、期間限定だと相場が一方通行になる可能性もあるため、なるべく避けたほうがよいのではないでしょうか。

運用実績のあるものの中から選ぶ

 長期での積み立てを考えるなら、新規に設定されたものではなく、運用実績のある「既存の商品」の中から選びましょう。過去の運用実績があるものは、過去のリスク(価格変動の大きさ)やリターンの水準を確認することができます。また、純資産総額が安定的に増えているかどうかも重要なポイント。仮に保有する投信が繰上償還された場合、NISA口座では「解約」扱いとなり、枠を再利用することはできないからです。

分配金をたくさん出しているものは避ける

 たくさん分配金を出すタイプの投信はNISAに限らず、積み立てには不向きです。とくに、NISA口座内で分配金を払いだした分は「解約」の扱いになり、非課税の枠が減ってしまいますし、枠が減った分を再利用することもできません。年1回あるいは2回決算で、なるべく分配金を出さない方針で過去にもあまり分配金を出していない商品を選びましょう。また、NISAでは、分配金を再投資する場合でも、新規購入として非課税枠を消費するという点も覚えておきましょう。

損益が把握しにくい可能性も

 長期的に積立投信での運用をしようとすると損益の把握がむずかしい面があります。たとえば、1年目から5年目まで、ある投信を積み立てたとします。この場合、口座画面上には年ごとの平均購入価額ではなく、NISA口座内で通算された5年分の平均購入価額が表示される金融機関が多いようです。5年以内での解約なら、この通算された購入価額と時価をみて損益を把握することはできますが、5年以上にわたって積み立てる場合には損益の把握がむずかしくなります。というのも、(新たなNISA口座に)ロールオーバーするたびに購入価額が値洗いされて変わっていくためです。そして、取得価格はロールオーバーするとき、つまり年末の市況に大きく左右されます。

 通常の特定口座で投信を積み立てて、自分の口座にログインすると、保有する投信の(現在の)基準価額、平均取得単価、評価額、評価損益の額などが一目でわかりますが、NISA口座ではどのようになるのか今ひとつはっきりしません。個人投資家の中には「NISA口座での管理画面のインターフェースがどうなるのか」を気にしている人も多く、「販売会社は具体的に利用者に説明してほしい」という声も聞きます。早めの開示が求められます。

(2013年11月26日)

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