NISAに適した金融商品は? 〜投資信託編 年1回決算型ファンドへの関心は強まるか

NISAへの関心の高まりから、低分配型のファンドへの注目の可能性も

 NISA(少額投資非課税制度)の導入が始まるにつれて、年1回決算型のファンドが注目を集めているようだ。2013年に入り、各運用会社では既に人気を集めている毎月決算型のファンドと同種の運用を行う、年1回決算型のファンドも各運用会社から相次いで設定されている。これは、分配の頻度を下げることで、NISAの非課税メリットを最大化することを狙っていることはいうまでもない。また、8月27日には、金融庁が「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」を一部改正し、「少額投資非課税制度を利用する取引の勧誘に係る留意事項」を新設し、「顧客が短期間で金融商品の売買(乗換え)を繰り返すような取引はNISAの制度趣旨に馴染まない」と指摘し、NISAの制度設計・趣旨を踏まえた、定額積立サービスの提供や、中長期にわたる安定的な資産形成に資するような金融商品を中心とした商品提供を行っているか、などの留意事項も追加されている。このため、中長期の資産形成に改めて注目が集まる可能性があるだろう。

 もちろん、中長期の運用を考えた場合、低分配型もしくは分配を行わないファンドの運用効率は、分配頻度の高いファンドに比べて、複利効果などを考えると相対的に良くなると一般的に考えられる。年1回決算型の決算回数の少ないファンドは従来から設定されていたが、投資家の人気は毎月決算型といった分配頻度の高いファンドに集まっている。実際、毎月決算型のファンドの純資産総額は2013年7月末時点の追加型株式投信の73.5%を占めている(DC、SMA向け、マネープール、限定追加型、ミリオンなどを除く)一方で、年1回決算型のファンドは15.1%にとどまっていた。

運用成績が良好な、年1回決算型のファンドの純資産額上位は国内株式型

 年1回決算型のファンドの足元の状況をみると、モーニングスターの集計では、2013年7月末時点の年1回決算型のファンド(純資産額10億円以上)において、モーニングスターレーティングで高評価(モーニングスターレーティング4以上)を得ているファンドは計188本となり、中でも、純資産額上位のファンドは図1の通りとなる。国内株式型がその多くを占めている形となっている。

図1:年1回決算型ファンドで高評価、純資産額上位のファンド

ファンド名 運用会社 モーニングスターカテゴリー 純資産額(百万円) モーニングスターレーティング(総合) トータルリターン3年(年率) トータルリターン5年(年率)
インデックスファンド225 日興アセットマネジメント 国内大型グロース 236,711 ★★★★ 14.40% 1.79%
JPM ザ・ジャパン JPモルガン・アセット・マネジメント 国内小型グロース 192,038 ★★★★★ 32.83% 17.73%
GW7つの卵 日興アセットマネジメント バランス 117,559 ★★★★ 10.12% 1.37%
三菱UFJ インデックス225オープン 三菱UFJ投信 国内大型グロース 108,266 ★★★★ 14.48% 1.90%
トヨタグループ株式ファンド 三井住友アセットマネジメント 国内大型ブレンド 97,394 ★★★★★ 24.86% 7.33%
HSBC ブラジルオープン HSBC投信 国際株式・ブラジル(F) 73,084 ★★★★ -6.10% -8.26%
イーストS・インド株式オープン イーストスプリング・インベストメンツ 国際株式・インド(F) 61,503 ★★★★ -4.09% -2.90%
インデックスファンド225 三菱UFJ投信 国内大型グロース 58,615 ★★★★ 14.40% 1.83%
ニッセイ 日経225インデックスファンド ニッセイアセットマネジメント 国内大型グロース 56,810 ★★★★ 14.63% 2.01%
ニッセイ 日本株ファンド ニッセイアセットマネジメント 国内大型バリュー 50,419 ★★★★ 11.55% -0.71%

2013年7月末時点
※(F)は、為替ヘッジなしを示す
出所:モーニングスター作成

 ただ、モーニングスターカテゴリー別の2013年7月末時点での過去5年間のトータルリターンの平均(年率、モーニングスターインデックスを使用)の上位をみると、国際株式型で為替ヘッジありのカテゴリー(「国際株式・欧州(為替ヘッジあり)」、「国際株式・北米(為替ヘッジあり)」)、国内小型(「国内小型グロース」、「国内小型ブレンド」、「国内小型バリュー」)、国際債券・ハイイールド債(為替ヘッジなし、あり)、国内REITなどとなっている。こうしたモーニングスターカテゴリーのファンドは、国内小型のカテゴリーを除いては年1回決算型のファンドでは本数や純資産額が小さいカテゴリーも多い、このため、年1回決算型のファンドではパフォーマンスに注目した投資家のニーズを上手く取り込めていない可能性もあるだろう。

図2:年1回決算型ファンドの純資産額上位のモーニングスターカテゴリー

図2:年1回決算型ファンドの純資産額上位のモーニングスターカテゴリー

2013年7月末時点
※1 (F)は、為替ヘッジなしを示す
※2 パーセントは年1回決算型ファンド全体での比率を示す
出所:モーニングスター作成

NISAでは中期でリスク・リターンの高いファンドに注目することも

 また、仮にDC(確定拠出年金向け)で、ファンドを通じた運用を行っている投資家にとっては、企業型では一般的な国内株式型、国際株式型やバランス型、そしてインデックスファンドなどは既に導入されているケースがある。DC専用ファンド全体でみると、追加型株式投信で年1回決算型のファンドにおいて、国内債券型や、国際債券型を除くと、純資産額の大きなカテゴリーでは重複するカテゴリーも多い。加えて、DC専用ファンドについては概ねコスト(信託報酬率等)も同一カテゴリーの一般的な追加型株式投信よりも概ね低い。

 DC専用ファンドは長期運用が前提となる(原則、60歳まで途中引き出しができない)ことから、年1回決算型、もしくは年2回決算型となっており、仮にDC専用ファンドなどで運用を行っている投資家が更にNISAなどで年1回決算型のファンドを選択する場合には、DC専用ファンドとの保有ファンドの兼ね合いなどについて留意する必要があるだろう。更に、NISAでの投資を考える際に、非課税期間の5年間という保有期間を考えるならば、年1回決算型の中でも、リスク・リターンの高い、中期的に収益獲得が期待できそうなファンドにあえて投資し、非課税メリットの最大限の享受を狙うというのも一つの選択肢となるのではないだろうか。

NISAに適した金融商品は?

NISAに適した金融商品は?〜株式編

銘柄選びで考慮したい制度概要

銘柄選びで考慮したい投資指標『PER』

銘柄選びで考慮したい投資指標『PBR』

スタート3カ月、口座開設は順調

NISA投資1兆円を突破

NISA拡充策に期待高まる

NISAの“駆け込み需要”が話題

NISA利用促進へ 税制改革に関心

NISA改革はこれから

2014年のNISA、利用期限迫る

時流に乗る銘柄への投資の重要性

制度変更で利用増えるか

NISA口座、稼働率上昇

国内経済の好循環に期待

「木を見て森を見ず」に注意

NISA口座の稼働率は50%超に上昇

「ジュニアNISA」を活用せよ!

NISA口座の利用進む、注目すべき日本株は

「シクリカル株」の買い時を探る

統計から業績動向を読む

NISA口座利用は増えるも、認知度は低い!?

米金融緩和 終わりの始まり―過去の影響を検証

NISA今年の買入れのタイミングは?

NISA拡大には逆風、日本株は正念場へ

4月からはジュニアNISAでの投資が開始!!

地震と株価の関係を知る――過去の事例を検証

NISA今後の買入れのタイミングは?

個人株主数が過去最高、NISAも寄与

NISAに適した金融商品は?〜ETF編

NISAに適した金融商品は?〜J-REIT編

J-REITはNISA向き?

NISAに適した金融商品は?〜投資信託編

リスク低減型ファンド

資産形成型ファンド

分配金受取型ファンド

値上がり益追求型ファンド

低コストが魅力のインデックスファンド

NISA向け新ファンド続々登場!

英国に学び、コスト重視に転換を

年1回決算型ファンドへの関心は強まるか

NISAで毎月分配ブーム終焉か

損失回避有望ファンドはこれ

有力ブロガー注目のファンドは?

長期運用実績のあるファンドにも注目

最大下落率の低さで選ぶ

「年1回決算」VS「毎月分配」

「インフォメーションレシオ」とは?

長期で高レーティング獲得

バランスファンドの最大下落率に注目

13年ぶり逆転へ、毎月分配以外が人気化

「NISA」機に資産配分見直しを

NISA効果!?投信市場のトレンドに変化

私たちはみなさまの資産運用・資産形成を応援しています

  • SBI証券
  • 大和証券
  • 野村アセットマネジメント
  • 野村證券
  • フィデリティ証券
  • 三菱UFJモルガン・スタンレー証券

この情報は投資判断の参考としての情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としてはいません。又、弊社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、安全性等について保証するものではありません。著作権等の知的所有権その他一切の権利はモーニングスター株式会社並びにMorningstar,inc.に帰属し、許可なく複製、転載、引用、配布することを禁じます。