NISAに適した金融商品は? 〜投資信託編 損失回避有望ファンドはこれ

 NISA(少額投資非課税制度)の利用に当たっては大きく2つの考え方があります。1つには、利益が非課税であるため、リスクの高いファンドを用い、非課税分の利益をできるだけ大きくするという考え方です。この考えで投資を行う場合は値下がりリスクも相応に大きい点に注意が必要です。一方、NISAでは損益通算ができないので、非課税メリットをしっかり得るために大きな利益よりも確実にプラスのリターンの獲得を目指すという考え方もあります。今回は後者の観点からどのようなファンドを選ぶか考えてみたいと思います。

5年リターンでマイナスが少ない実績を持つファンドに焦点

 NISAでは、非課税期間が5年となっていることから、5年運用した結果、収益がプラスで終わることが重要であると考えられます。こうした観点から、10年以上の運用年数を有し、2008年10月末から2013年9月末の各月末(60カ月)を基準日とした5年リターンがプラスになった回数の多いファンドに着目しました。この条件を満たし、2013年9月末時点の純資産額が10億円以上、信託期間が無期限となっているファンドの中から、特に注目されるファンドを以下にピックアップしました。

ファンド名 運用会社名 純資産額
(億円)
5年リターンが
プラスになった回数(率)
BAM ワールド・ボンド&カレンシーF(毎月) ベアリング投信投資顧問 1,199 60回(100%)
明治安田 日本債券ファンド 明治安田アセットマネジメント 20 60回(100%)
損保ジャパン 外国債券ファンド 損保ジャパン日本興亜アセットマネジメント 28 55回(91.7%)
フィデリティ・ストラテジック・インカムA フィデリティ投信 2,223 53回(88.3%)

出所:モーニングスター作成

 過去60カ月のどの月末を基準日としても5年リターンがプラスとなったファンドの中でも、9月末時点の純資産額が最も大きかったのは、「BAM ワールド・ボンド&カレンシーF(毎月)」です。当ファンドは、世界の投資適格格付けの公社債に分散投資を行うほか、機動的に為替ヘッジを行うファンドです。

 このほかにも、国内債券型ファンドの中でも安定した実績を有する「明治安田 日本債券ファンド」、また、為替ヘッジ付きのグローバル債券ファンドでは、「損保ジャパン 外国債券ファンド」、「フィデリティ・ストラテジック・インカムA」などが、5年リターンがマイナスになった回数が少ないファンドの一例として挙げられます。

 なお、「BAM ワールド・ボンド&カレンシーF(毎月)」と「フィデリティ・ストラテジック・インカムA」は決算回数が年12回ですが、それぞれ「BAM ワールド・ボンド&カレンシーF(1年決算)」、「フィデリティ・ストラテジック・インカムC」とNISA向けに決算回数が年1回のファンドが設定されています。いずれも毎月分配型で長期にわたり安定的な運用実績を残しているファンドのため、新たに設定された年1回決算型ファンドもパフォーマンス面では安心感があります。

NISA向けバランスファンドとの組み合わせで着実な収益を

 もっとも、上記の実績を重視したファンドだけでは投資する資産に偏りが生じてしまいます。そこで上記のファンドに加え、配分比率を変更するタイプのバランスファンドを活かした投資が考えられます。NISA制度の下では、有価証券を一度売却してしまうと、非課税枠を再利用できないため、リバランスが行えません。そのため、多くの運用会社が配分比率を変更するタイプのファンドを設定しています。こうしたタイプのバランスファンドと、5年リターンがプラスになった回数の多い実績のあるファンドを組み合わせることで、資産分散と収益をある程度両立できると考えられます。非課税となる収益をプラスにする可能性を高める選択肢として、運用実績と資産分散を考慮した投資は検討に値するでしょう。

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