NISAに適した金融商品は? 〜投資信託編 「年1回決算」VS「毎月分配」

 「年1回決算型ファンドが伸びる」――。今年1月のNISA(少額投資非課税制度)スタートを前に投信業界ではそんな期待が高まった。長期投資を前提としたNISAでは複利効果を活かすために分配頻度を極力減らしたファンドが売れるとの見方だ。実際、昨年は年1回決算型ファンドの設定が相次ぎ注目を集めた。

1月は資金流入で年1回決算型に軍配

 ではNISAが始まり、年1回決算型ファンドは買われたのだろうか。モーニングスターが推計した1月の追加型株式投信(ETFを除く)の純資金流入額を決算頻度別に見たところ、1月は年1回決算型が計4,521億円の純資金流入となり、純資金流入額3,512億円の毎月分配型を1,000億円近く大幅に上回った。図表1を見ると、過去3ヶ月、6ヶ月、1年といずれの期間の純資金流入額も毎月分配型が上回り、根強い人気を誇っていただけに、1月の「逆転」は注目に値する。このうち、どの程度の資金がNISA口座経由で年1回決算型に向かったかは不明だが、NISAをきっかけに年1回決算型が見直されている可能性がある。

図表1:毎月分配型と年1回決算型のファンドの純資金流入額推移

図表1:毎月分配型と年1回決算型のファンドの純資金流入額推移

※1 モーニングスターが算出した1ヶ月流出入額(前月推計値)及び投資信託協会出所データ(過去月確定値)を基に作成
※2 対象ファンドは1月末時点の追加型株式投信(ETFを除く)。過去月の償還ファンドは集計に含まず
出所:モーニングスター

売れ筋ファンドは依然、毎月分配型が上位

 ファンド全体の純資金流入動向を見る限り、年1回決算型が広がる兆しが見えたとは言えるかもしれないが、売れ筋ファンドの上位には毎月分配型が依然として多く見られる。図表2はモーニングスターが推計した1月の追加型株式投信(ETFを除く)の純資金流入額をファンド別にランキングしたものだ。上位10本のうち、6本が毎月分配型となっており、2013年12月の5本からむしろ増加している。特に上位3ファンドがいずれも毎月分配型となっており、安定的なインカム(配当・利子)収入を求める投資家にとって、引き続き毎月分配型はニーズに応える商品として人気が高いと言えるだろう。

図表2:1月の純資金流入上位ファンド(モーニングスター推計)

ファンド名 運用会社名 決算頻度 流出入額(億円)
ドイチェ・高配当インフラ関連株(米ドル)毎 野村アセットマネジメント 毎月 618
ダイワ 高格付カナダドル債(毎月分配型) 大和証券投資信託委託 毎月 434
フィデリティ・USハイ・イールドF フィデリティ投信 毎月 399
日経225ノーロードオープン DIAMアセットマネジメント 年1回 373
野村 ハイパーブル・ベア3(ブル3) 野村アセットマネジメント 年1回 336
新光 US-REITオープン 新光投信 毎月 290
日興UBS日本株式リスク・コントロール・F UBSグローバル・アセット・マネジメント 年1回 287
アムンディ・欧州ハイ・イールド債券(リラ) アムンディ・ジャパン 毎月 273
ダイワ 新興国ソブリン債券F(通貨α) 大和証券投資信託委託 毎月 266
りそな・日経225オープン アムンディ・ジャパン 年1回 222

※1 モーニングスターが算出した1ヶ月流出入額(前月推計値)を基に作成
※2 対象ファンドは1月末時点の追加型株式投信(ETFを除く)
出所:モーニングスター

 毎月分配型を購入する投資家は、その特性から分配金額や分配金利回りなどに注目しやすい。しかし、ファンドは基準価額の変動なども含めたうえで評価すべきだ。そのためには、分配金利回りの水準などに注目するのではなく、トータルリターンや運用効率を示すシャープレシオの高さを確認することも重要となる。なお、一般口座では課税される普通分配金がNISAでは非課税となることから、毎月分配型であってもNISAのメリットを享受することができる。

 図表3では、シャープレシオに着目したファンド選びの例をあげている。運用期間3年以上でモーニングスターレーティングが付与されており、純資産残高が10億円以上の毎月分配型ファンドの中から、5年のシャープレシオが高い上位5ファンドをスクリーニングした。

図表3:毎月分配型でシャープレシオの高いファンド

ファンド名 運用会社名 純資産額
(億円)
レーティング トータルリターン
(5年、年率)
シャープレシオ
(5年)
ピムコ ハイ・インカム毎月分配型(H付) 三菱UFJ投信 55 4 10.78% 2.11
高利回り社債・為替ヘッジ(毎月分配型) 野村アセットマネジメント 610 4 18.96% 2.00
みずほ USハイイールドA(ヘッジあり) みずほ投信投資顧問 1,096 3 16.07% 1.95
フィデリティ・ハイ・イールド・ボンドBコース フィデリティ投信 369 4 15.87% 1.94
野村 米国好利回り社債投信Dコース 野村アセットマネジメント 187 5 24.86% 1.87

※1 モーニングスターレーティングが付与され、純資産残高が10億円以上の毎月分配型ファンドが対象、DC(確定拠出年金)専用ファンド、SMA(ラップ口座)専用ファンド、ETFなど除く(2013年12月末時点)
出所:モーニングスター

 シャープレシオが2.11でトップとなった「ピムコ ハイ・インカム毎月分配型(H付)」は、為替ヘッジなしの「ピムコ ハイ・インカム毎月分配型ファンド」が10年以上の良好な運用成績のファンドに贈られるモーニングスターの「ファンド オブ ザ ディケード 2013」を受賞するなど、長期で優れたパフォーマンスとなっている。昨年は、NISAで年1回決算型が注目を集める中でなかなか脚光が浴びることが少なかった毎月分配型だが、優れた運用成績のファンドはNISAにおいても支持を集めそうだ。

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