NISAに適した金融商品は?〜株式編 銘柄選びで考慮したい投資指標『PER』

前回、NISAでは、割安感のある銘柄を選んで購入し、長期に保有することで、配当金や値上がり益を狙うといった投資が理想的とお話しました。では、割安感のある銘柄はどのように選べばよいかということになると思います。その判断材料の一つとなるのが、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)、配当利回り、といった投資指標で、下表は各市場の平均です。実際には平均以上に評価されている銘柄がある一方、割安に放置されている銘柄もあります。それぞれの指標についても、個別の銘柄ごとに判断する必要がありますので、平均値は一つの目安として認識してください。今回は、これらの指標のうち、PERについてコメントしたいと思います。

投資指標

東証一部 東証二部 JASDAQ
PER(倍) 15.81 13.45 19.24
PBR(倍) 1.26 0.78 1.79
配当利回り(%) 1.73 1.95 1.90

※ 6月28日時点(日本経済新聞調べ)
※ PERと配当利回りは今期予想、PBRは前期実績(連結ベース)
出所 モーニングスター作成

PERは成長性や業種なども考慮する

PER(株価収益率)とは、個別企業の利益と株価を比較したものです。会社が予想するEPS (1株利益)に対し、株価が何倍まで買われているかを示しており、この数値が高ければ割高、低ければ割安ということになります。下表は実際の分布状況ですが、平均に近い10〜20倍の銘柄が最も多くなっています。

PER別の分布状況

東証一部 東証二部 JASDAQ
100倍以上 18 7 28
50倍以上〜100倍未満 45 16 45
30倍以上〜50倍未満 131 39 67
20倍以上〜30倍未満 279 34 94
10倍以上〜20倍未満 929 164 345
〜10倍未満 251 134 269

※ 6月28日時点、赤字予想などPERが算出できない銘柄は除く
※ 単位・銘柄
出所 モーニングスター作成

ただ、成長性の高い企業の場合などは、翌年以降の利益成長を考慮して割高に買われることがあります。一方で、業績は安定しているものの、変化率が小さい企業の場合、割安に評価されることもあります。こうした傾向は、業種によっても見受けられるため、同業の会社のPERと比較して、割安・割高といった判断をするのは有効だと思います。

例えば、自動車株の場合、2013年6月28日の終値でのPERは、日産<7201>が10.0倍、いすゞ<7202>が10.0倍、トヨタ<7203>が13.8倍、ホンダ<7267>が11.5倍、スズキ<7269>が14.3倍、といった状況でした。トヨタを基準にすれば、日産やいすゞ、ホンダは割安と考えられます。ただ、トヨタでも東証一部の平均を下回っており、PERからみると、自動車株は全般に割安なのかもしれません。

割安になりそうな時期を探る

もっとも、5月の高値時点では、トヨタのPERは15.6倍であり、ホンダが13.7倍、日産も12.5倍と、6月末時点に比べ割高な水準にありました。個別の銘柄で過去の株価推移を確認し、その銘柄の割安なPER水準はどの辺りかを考えるのは有効と思われます。

なお、過去の株価推移から割安になりそうな時期を探るといった考え方もあります。例えば、サッポロホールディングス<2501>の場合、2010年の高値が1月、安値が10月、2011年は高値が1月、安値が3月、2012年は高値が3月、安値が9月でした。ビールの需要が盛り上がる夏場にかけて注目度が高まる傾向があり、株価も年の前半にくらべると後半はやや低調な推移となる年が多いようです(2011年も安値は震災があった3月でしたが、年後半も低調でした)。サッポロホールディングスの場合、決算期が12月であり、2月に決算が発表されるため、この前後に注目度が高まりやすいといった面もあるかと思います。NISAで投資する場合、年間に投資できる金額が限られているので、個別銘柄や業種として注目されそうな時期(=PERが割高になりそうな時期)を避けて、割安なタイミングを見極めることが重要になるでしょう。

NISAに適した金融商品は?

NISAに適した金融商品は?〜株式編

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