NISAに適した金融商品は?〜株式編 NISA投資1兆円を突破

 今年1月にスタートしたNISA(少額投資非課税制度)を通じ、個人投資家による投資額が1兆円を突破したことが判明しました。6月23日に金融庁が公表した「NISA口座の利用状況等について」とする調査結果でわかったものです。3月31日時点の集計で、少し前のものとなりますが、銀行なども含めた686の金融機関を対象とした初めての調査で、NISAの動向を詳しく知るために有益な内容となっています。

投資額の6割超は高齢者層 商品別の買付額トップは投信

 この調査によると、NISAの総口座数は650万3,951で制度導入時点の約475万口座から3カ月で約175万口座、率にして37%増加しています。年齢別の口座数では60歳代以上の割合が59.8%を占めました。しかし、制度導入時との比較では60歳代以上の割合が3.6%低下し、その分50歳代以下の現役層の割合が増加しています。少しずつではありますが、現役世代の口座開設も進んでいるようです。

 一方、実際に投資した総額は1兆34億円で、商品別の内訳をみると投資信託が6,212億円と全体の61.9%を占めトップ。ついで上場株式は3,645億円で36.3%。ETFが91億円、REITが86億円とそれぞれ1%程度となっています。

 年代別の投資額内訳では総額に占める60歳代以上の割合が64.9%と口座数の割合よりも多くなっています。実際に投資するのは高齢者層、投資経験者層という姿が浮かび上がります。

若年層利用への課題も

 20歳代、30歳代の若年層はそもそも資産を運用する資金的な余裕がなく、このことが口座を開設する上でも大きな障害となっているようです。こうした若年層の利用を促すうえでは、高齢者層からの資産移転、制度や投資への教育などが課題となってきそうです。

 証券業界では投資期間が5年に限られている現状から制度の恒久化を求める声が上がっています。また、年間100万円の非課税枠の引き上げなども課題となってきそうです。先ごろ政府が発表した成長戦略でも「NISAの普及促進」が盛り込まれました。投資家が利用しやすい政策や環境作りが求められるところです。

配当重視と値上がり目的で2分化

 さて、今回の金融庁の調査で投資対象では配当重視と値上がり益重視との回答が2分化していることもわかりました。高配当利回り銘柄をじっくり長期で保有するスタンスとあくまで値上がりを狙うスタンスです。

 しかし、実際にNISAがスタートした今年1月から株式相場は調整局面となり、5月まで日経平均株価では約1割の下落となりました。制度開始後に株式を購入した投資家の中には、値上がり益という「成功体験」を経ないまま、保有し続けているケースもあると思われます。こうした相場の実勢も口座は開いたものの、なかなか実際の投資に踏み切れないという結果を生み出している要因といえるでしょう。

実際の投資にあたっての留意点

 相場の動向を探るうえで最も代表的な指標として使われるのが日経平均でしょう。日経平均は東証1部の代表的な225銘柄の株価を足して算出する指数です。ファーストリテイリング<9983>やソフトバンク<9984>といった株価の高い、いわゆる値がさ株の動向を強く受ける指数です。

図表1:日経平均とNT倍率

図表1:日経平均とNT倍率

出所:モーニングスター作成

 しかし、日経平均だけをみていてはつかめない物色動向の傾向もあります。グラフは日経平均の動きと、日経平均をTOPIX(東証株価指数) で割って算出したNT倍率の推移です。TOPIXは東証1部上場銘柄すべてで算出する指数で時価総額の大きい銘柄を中心に市場全体の動きを表すといっていいでしょう。NT倍率が上昇する時は相対的に日経平均が優位、逆の場合はTOPIX優位と判断します。

 さて、5月以降、日経平均が上昇に転じるなかで、NT倍率はほぼ一貫して低下しました。これはTOPIXが優位に推移していることを示しています。日経平均があまり動かなくなった局面でも、個別銘柄に目を配ると、地味ながらも連日高値を付けている銘柄が数多く出ています。銘柄の選別が重要ということの表れでしょう。

 5月以降の反騰過程では年金などの資金が株式を購入したといった声が出ています。代表格はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)ですが、こうした年金資金の動きが注目を集めているのです。そして、国内機関投資家が新たな資金運用の指標として用いるのではないかとされているのが「JPX日経インデックス400」という新指数です。これはROE(自己資本利益率)という、投資家から預かった資本をどれだけ効率的に利用しているかを示す指標などを銘柄選別の尺度に取り入れています。名称の通り400銘柄で構成される指数です。

図表2:JPX日経インデックス400の主な高ROE銘柄

図表2:JPX日経インデックス400の主な高ROE銘柄

出所:モーニングスター作成

 ここでは、この「JPX日経400」の中で、とくにROEが高いとされる40銘柄をピックアップしてみました。単純にすべてが買いとなる訳ではありませんので、その点は注意が必要です。ただ、株主への配当を増やすなど株主還元に前向きの企業の株価は上昇するというのが、ここ最近の動きでもあります。NISAの利用目的は配当と値上がり益という2つの側面に分けられるという調査結果がでましたが、うまく銘柄を選別すれば、この2つを同時に達成できるチャンスもある訳です。

NISAに適した金融商品は?

NISAに適した金融商品は?〜株式編

銘柄選びで考慮したい制度概要

銘柄選びで考慮したい投資指標『PER』

銘柄選びで考慮したい投資指標『PBR』

スタート3カ月、口座開設は順調

NISA投資1兆円を突破

NISA拡充策に期待高まる

NISAの“駆け込み需要”が話題

NISA利用促進へ 税制改革に関心

NISA改革はこれから

2014年のNISA、利用期限迫る

時流に乗る銘柄への投資の重要性

制度変更で利用増えるか

NISA口座、稼働率上昇

国内経済の好循環に期待

「木を見て森を見ず」に注意

NISA口座の稼働率は50%超に上昇

「ジュニアNISA」を活用せよ!

NISA口座の利用進む、注目すべき日本株は

「シクリカル株」の買い時を探る

統計から業績動向を読む

NISA口座利用は増えるも、認知度は低い!?

米金融緩和 終わりの始まり―過去の影響を検証

NISA今年の買入れのタイミングは?

NISA拡大には逆風、日本株は正念場へ

4月からはジュニアNISAでの投資が開始!!

地震と株価の関係を知る――過去の事例を検証

NISA今後の買入れのタイミングは?

個人株主数が過去最高、NISAも寄与

NISAに適した金融商品は?〜ETF編

NISAに適した金融商品は?〜J-REIT編

J-REITはNISA向き?

NISAに適した金融商品は?〜投資信託編

リスク低減型ファンド

資産形成型ファンド

分配金受取型ファンド

値上がり益追求型ファンド

低コストが魅力のインデックスファンド

NISA向け新ファンド続々登場!

英国に学び、コスト重視に転換を

年1回決算型ファンドへの関心は強まるか

NISAで毎月分配ブーム終焉か

損失回避有望ファンドはこれ

有力ブロガー注目のファンドは?

長期運用実績のあるファンドにも注目

最大下落率の低さで選ぶ

「年1回決算」VS「毎月分配」

「インフォメーションレシオ」とは?

長期で高レーティング獲得

バランスファンドの最大下落率に注目

13年ぶり逆転へ、毎月分配以外が人気化

「NISA」機に資産配分見直しを

NISA効果!?投信市場のトレンドに変化

私たちはみなさまの資産運用・資産形成を応援しています

  • SBI証券
  • 大和証券
  • 野村アセットマネジメント
  • 野村證券
  • フィデリティ証券
  • 三菱UFJモルガン・スタンレー証券

この情報は投資判断の参考としての情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としてはいません。又、弊社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、安全性等について保証するものではありません。著作権等の知的所有権その他一切の権利はモーニングスター株式会社並びにMorningstar,inc.に帰属し、許可なく複製、転載、引用、配布することを禁じます。