NISAに適した金融商品は?〜株式編 NISAの“駆け込み需要”が話題

 今年1月にスタートしたNISA(少額投資非課税制度)も8カ月が経過します。このコーナーでも過去に取り上げてきましたが、制度導入の初年度から、早くも拡充策やテコ入れ策が話題となっています。「子ども版NISA」の創設に加え、大人版に関しても現在は年間100万円までとなっている非課税枠を拡大する案などが浮上しているようです。

 政府も「貯蓄から投資へ」の掛け声のもと、制度改革には前向きな姿勢を示しているようです。高齢者層に偏りがちな金融資産を若年層へ移転し、生きたお金の使い方をしてもらい、経済の活性化に役立てる。こうした目的もNISA改革のひとつの側面です。

稼働率は3割程度

 さて、制度改革を俎上に載せるということは、裏を返せば利用があまり進んでいないということも意味しているでしょう。実際、NISAの利用状況に関する各種調査から推測されるのは、口座数こそ増加しているものの、その稼働率は3割程度という全体像が浮かびあがります。

 また、金額ベースでも低調です。金融庁による3月時点の調査で実際の投資金額が既に1兆円を突破したことが判明しました。しかし、当時の口座数は650万で、この口座が上限投資額の100万円をフルに使ったと仮定すると6.5兆円の資金が動く計算になります。これに対し、実際の投資金額はフル稼働の2割に満たないという結果になるのです。

 こうした利用状況を受け、いま金融市場で話題となっているのが、NISAの“駆け込み需要”の発生です。4月に消費税率が5%から8%に引き上げられましたが、増税前に商品を購入しておこうという駆け込み需要が発生しました。これと同じような現象が起こるのでは、という観測です。

 NISAは年間100万円までの株式や投信への投資に対し値上がり益や配当金が非課税となる制度です。しかし、この100万円の枠に関しては、使わなかった分は翌年に繰り越すことができません。このため、この枠を年内に使おうという動きが秋以降出てくるのではと見られているのです。中には1.5兆〜2兆円の資金が流入するとの試算もあるようです。

 もちろん、利用を促すためには、冒頭にも紹介しました制度の魅力を高める努力が欠かせません。秋の臨時国会では、改革案が示されるかどうかも注目されるところです。

9月中間期接近で高配当利回り銘柄の出番も

 駆け込み需要が発生するかどうかは別としても、9月は株式投資にとってひとつの重要なイベントがあります。配当・権利取りのシーズンを迎えるからです。日本企業の場合、3月期決算が多く、3月期末ほどではありませんが、9月の中間期で配当を実施している銘柄には「配当取り」という動きが出てきます。株価の値上がり益であるキャピタルゲインに対し、インカムゲインを狙うという動きです。

 利回りとは年間の1株当たりの配当金を株価で割って算出します。

 また、配当だけではなく、株主優待などを実施している企業もありますから、これを含めた「総合利回り」の面からも、高利回り銘柄が注目されやすくなるのです。NISAの投資対象としても「高配当利回り」は重要な位置を占めています。

 もちろん、注意点もあります。株価が何らかの原因で低迷し、その結果、高配当利回りになっているような銘柄は、今後、業績が目標に届かず、計画していた配当金も減額するといった事態が起こらないとも限りません。高配当といってもすぐには飛びつかず、業績や財務にも注意を払うことが大切です。3月期末に一括して配当する企業もありますからこの点のチェックも必要でしょう。

 別掲の表は東証1部の主な高配当利回り銘柄です。現在、東証1部の平均配当利回りは1.5%程度ですので、これを上回る銘柄ばかりということになります。知名度も高く実態がしっかりしている企業としては三井物産<8031>や住友商事<8053>などの大手商社株が代表例といえるでしょう。三井物は中間期・期末とも各32円の配当を予定しており、自社株買いなど株主還元策にも前向きな姿勢が株式市場で話題となりました。ひとつの参考銘柄となるでしょう。

図表:主な高配当利回り銘柄

図表:主な高配当利回り銘柄

出所:モーニングスター作成

 高配当利回り銘柄ほど権利落ち(その期の配当を受け取れる権利がなくなった後)の株価が調整しやすい点は念頭に置いておきたいところです。しかし、業績が好調に推移する見通しが立てば、株価もいずれ見直されてくる公算が大きいといえます。また、高配当利回り銘柄が買われるという季節要因に着目し、株価の値上がり益だけを狙った売買も予想されます。いずれにしても、配当を確実に取るということであれば、長期スタンスで臨むことが求められるでしょう。

NISAに適した金融商品は?

NISAに適した金融商品は?〜株式編

銘柄選びで考慮したい制度概要

銘柄選びで考慮したい投資指標『PER』

銘柄選びで考慮したい投資指標『PBR』

スタート3カ月、口座開設は順調

NISA投資1兆円を突破

NISA拡充策に期待高まる

NISAの“駆け込み需要”が話題

NISA利用促進へ 税制改革に関心

NISA改革はこれから

2014年のNISA、利用期限迫る

時流に乗る銘柄への投資の重要性

制度変更で利用増えるか

NISA口座、稼働率上昇

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「木を見て森を見ず」に注意

NISA口座の稼働率は50%超に上昇

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NISAに適した金融商品は?〜ETF編

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