NISAに適した金融商品は?〜株式編 制度変更で利用増えるか

 年間100万円までの株式や投資信託への投資に関し、その売却益や配当などが非課税となるNISA(少額投資非課税制度)。2014年1月にスタートしましたが、使い勝手の悪さなど改善点が指摘されてきました。議論の結果、15年1月にはいくつかの制度変更が実施されています。

 ひとつはNISA口座の開設までにかかる時間の短縮です。証券会社などの金融機関では、顧客からNISA口座開設の申し込みを受けた後、口座が二重に開設されないよう税務署を通じて確認します。これまで、この税務署への確認手続きに3週間から4週間かかっていましたが、1月以降は2週間から3週間に短縮されました。

 また、証券会社や銀行、郵便局などの金融機関の変更も可能になりました。これまでは、最長で4年間、NISA口座を開設する金融機関の変更はできませんでしたが、今年1月以降は年単位で金融機関の変更ができるようになりました。金融機関の変更を希望する顧客は、変更したい年分の前年の10月1日から変更したい年分の属する年の9月30日まで(15年に限り1月1日から9月30日まで)に所定の手続きを経て金融機関を変更することができます。

 さらに、海外勤務などで非居住者となった場合、NISA口座が廃止されます。これまでは、口座が廃止されると最長4年間、再開設はできませんでしたが、1月以降は帰国後に再開設ができるようになりました。

 閣議決定された平成27年度の税制改正大綱では「ジュニア版NISA」の創設、NISAの年間投資上限額の引き上げなどの措置が図られ、課題は少しずつ改善されていく見込みです。

口座稼働率は5割程度

 日本証券業協会が公表した主要証券会社10社のNISA口座の開設・利用状況では、昨年12月31日現在の総口座数が約406万口座、このうち買い付けがあった口座数は全体の45%の約183万口座と5割を割り込んでいます。NISAの買い付け総額は1兆4,189億円、1口座の平均買い付け額はおよそ77万円となっています。

 昨年12月は初年度の最終月ということで、駆け込みの口座開設・買い付けが期待されましたが、主要証券会社のみの数字ではありますが口座の稼働率が5割程度と依然低水準にとどまっているようです。ただ、積立買付契約口座の比率が高まっているようで、積立投資のような投資手法はじわりと浸透していきそうな様相です。

 NISAの制度改善が今後、口座開設や実際の投資に結び付いていくかどうか、今年の注目点といえるでしょう。とくに若い世代の利用が増えるかどうかが大きな焦点となりそうです。

高配当銘柄への関心強まる

 さて、15年の株式相場は昨年と同様、波乱含みの幕開けとなりました。原油価格が急落したため投資家のリスク回避の姿勢が強まりました。原油価格の下落はエネルギーコストの低下に結び付くため、経済にはプラス要素と見られていますが、あまりの急落でマイナス面が意識されてしまいました。 また、スイスが自国通貨フランの上限を撤廃したため、フランが急騰し、いわゆる「スイス・フランショック」も相場を直撃しました。株式相場だけでなく、商品や為替などの相場が急変すると、お金の流れが変化し、株式市場にも影響が出てきます。

 徐々に相場が落ち着きを取り戻す中、国内に目を向けると15年3月期決算企業の第3四半期(昨年4〜12月)決算の発表が佳境を迎えます。投資の基本的な要素である企業業績を分析する最も重要な時期です。

 決算発表はNISA投資に臨むにあたっても大切なイベントですが、投資初心者にとっては、知名度が高く、配当利回りの高い銘柄が人気となっているようです。武田薬品工業(4502)など利回りの高い銘柄の株価が年初から強い動きを示しているのは、こうした傾向の現れでしょうか。

 別掲の表は新しい株価指数である「JPX日経インデックス400」に採用されている銘柄を高配当利回りの順にランキングしたものです。いずれも知名度が高く、事業内容も把握しやすい銘柄といえるのではないでしょうか。もちろん、高利回りがそのまま買いとなる訳ではありません。あくまで参考としてください。とくに、大手商社株に高利回りが目立ちますが、資源関連株も同様に原油価格の下落が業績を圧迫する要因となる点には十分な注意が必要です。

図表:JPX日経インデックス400採用銘柄の高利回りランキング

銘柄 利回り
1 住友商 4.19
2 三井物 4.09
3 JT 4.00
4 松井証 3.89
5 丸紅 3.87
6 キヤノン 3.86
7 伊藤忠 3.80
8 SANKYO 3.67
9 第一三共 3.66
10 東燃ゼネ 3.63
11 あおぞら 3.62
12 JX 3.60
12 ダイハツ 3.60
14 みずほ 3.56
15 ワコム 3.54
16 平和 3.48
17 東海東京 3.45
18 アコーディア 3.38
19 アサヒHD 3.36
20 三菱商 3.29
21 NTTドコモ 3.28
22 昭シェル 3.22
23 積水ハウス 3.21
23 三井住友 3.21
25 日産自 3.20
26 武田薬 3.19
銘柄 利回り
27 ゲオHD 3.14
27 双日 3.14
29 ローソン 3.10
29 ユニーGHD 3.10
31 VTホ 3.07
32 AOKIHD 2.99
33 旭硝子 2.96
33 日電硝子 2.96
35 日鉄住金物産 2.91
36 三菱UFJ 2.89
37 リコー 2.88
38 エーザイ 2.87
38 トレンド 2.87
40 大東建 2.85
41 アンリツ 2.83
42 宇部興 2.80
43 大塚HD 2.79
44 住友鉱 2.78
45 ティーガイア 2.77
45 イオンFS 2.77
47 CTC 2.76
48 ベネッセHD 2.74
49 フジHD 2.68
50 サンリオ 2.67
50 NTT 2.67
     

(注)単位・%
出所:モーニングスター作成

NISAに適した金融商品は?

NISAに適した金融商品は?〜株式編

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NISAの“駆け込み需要”が話題

NISA利用促進へ 税制改革に関心

NISA改革はこれから

2014年のNISA、利用期限迫る

時流に乗る銘柄への投資の重要性

制度変更で利用増えるか

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