NISAに適した金融商品は?〜株式編 「シクリカル株」の買い時を探る

 企業業績は株価の動きに大きな影響を及ぼす材料です。では、どのようにすれば、これから業績の良くなりそうな会社を探し出せるでしょうか。1つの方法が、「シクリカル投資」と呼ばれる戦略です。シクリカルとは「景気循環」を意味し、拡大→成熟→縮小→低迷のサイクルを繰り返します。こうした循環と連動する「シクリカル銘柄」を低迷期に購入することで、時に大きなリターンにつながることがあります。

 代表的なシクリカルセクターが設備投資関連株です。工作機械や半導体製造装置の需要には必ず波があり、一定の間隔で好況と不況が訪れることが特徴です。また、スマートフォンなどIT機器の製造装置は、人気商品のモデルチェンジの周期が需要サイクルを形成する場合があります。

 具体的に、工作機械受注(日本工作機械工業会調べ)と、大手工作機械メーカーであるオークマ<6103>の株価の推移(1980年から)を図表1に示しました。棒グラフの工作機械受注は数年おきに山・谷を繰り返し、折線グラフのオークマの株価もそのサイクルにほぼ連動しています。直近の工作機械受注は、拡大期から成熟期に差し掛かっているようにも見えるため、今はあまりオークマの良い買い時ではないのかもしれません。

図表1:工作機械受注とオークマの株価

図表1:工作機械受注とオークマの株価

注:株価は年末終値(2015年は8月20日時点)

 次に、もっとミクロな分野に焦点を当ててみましょう。図表2では工作機械受注の中でも、アジア「電気・精密」向けという項目だけを抜き出しました。この項目は、スマートフォンを製造するEMS(電子製品の受託製造業者)の設備投資が反映されることで有名です。より細かい動きをたどれるよう月次ベースで示しています。そして、右軸の折線は、同分野の代表的な銘柄であるTHK<6481>と安川電機<6506>の株価です。

図表2:工作機械受注・アジア「電気・精密」向けとTHK、安川電機の株価

図表2:工作機械受注・アジア「電気・精密」向けとTHK、安川電機の株価

注:株価は月末終値(2015年8月は8月20日時点)

 THKは工作機械などに搭載される「LMガイド」という部品のトップメーカーで、その需要は特に、エレクトロニクス分野の製造・加工装置の出荷台数に影響されます。安川電機もサーボモーターという制御装置を主力とし、スマートフォン関連の設備投資が業況を左右する傾向があります。アジア「電気・精密」向けの工作機械受注と両銘柄の株価の山・谷はほぼ一致していることがわかります。

 同受注は、世界的な人気スマートフォンのモデルチェンジのタイミングに先駆けて急激に拡大し、その後一気に終息するサイクルを繰り返しているため、この循環の谷間で関連銘柄を購入することができれば、数カ月後のリターンにつながる期待が持てます。直近のサイクルは既にピークアウトし、受注が急減している最中なので、THKや安川電機は投資タイミングが近づきつつあるとも考えられます。

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