NISAに適した金融商品は?〜株式編 米金融緩和 終わりの始まり―過去の影響を検証

 木を見て森を見ず。物事の一部分や細部に気を取られて全体を見失うことを意味することわざは、株式相場にも当てはまります。しかし、ややこしいことに、「森を見て木を見ず」というまったく逆の意味の相場格言もあり、要はどちらか一方にかたよった見方をしてはいけないということ。FRB(米連邦準備制度理事会)が9年半ぶりに政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利の引き上げに踏み切りましたが、米国の利上げと株価の動きを考えるうえでも、全体と細部をよく検証する必要があります。

 FRBは16日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、約10年ぶりとなる利上げを決定しました。誘導目標であるFF金利を従来の0〜0.25%から0.25〜0.5%へ引き上げ、過去7年に及ぶ実質的なゼロ金利政策を解除する。リーマンショック後の金融緩和時代の終わりの始まりを迎え、米国経済がこれから本当の意味で復調できるかが注目されます。

 NISAを活用するにあたって、利上げ後の全体相場の方向性を予想することは重要です。つまり、投資したい銘柄=「木」の個別状況だけではなく、金融マーケット全体=「森」の様子をうかがうのです。

 そのうえで、過去のデータを見直しておくことは欠かせません。株は経験則が物を言うのです。1990年代以降、FRBは今回を除いて計4回利上げを実施しています。その時の日本株や米国株の動きはどうだったのでしょうか。

図表:米利上げ後のTOPIXパフォーマンス

図表:米利上げ後のTOPIXパフォーマンス

※ 上段は騰落率(%) 、下段は対S&P500 (ポイント)、営業日ベース

 利上げ開始決定から約1年に相当する240営業日後までのTOPIX(東証株価指数)のパフォーマンスを表と図でまとめました。これによると、240営業日後では4回中3回がマイナスとなり、平均でも約3%下落していることがわかります。つまり、日本株にとって米国の利上げは追い風とはあまり言えません。

 米株の代表的な指標のS&P500種指数との比較でも、やはりTOPIXは240日後のベースで過去1勝3敗と負け越しています。利上げが逆風となる日本株に対し、米株は堅調に推移するケースが多いのは、利上げは米経済回復を見越した判断であり、その読み通りに米株に資金が流入する一方で、日本株からは資金が流出しやすかったことを示しています。

 唯一の例外となったのが、99年6月からの利上げ局面です。TOPIXは短・中・長期といずれも強く、240日後では約12%の値上がり。S&P500に対してもアウトパフォームしました。当時はITバブルへ向け人気化したハイテク株が相場のリード役。今回も99年の再現を期待するのであれば、需要爆発前夜の人工知能やフィンテック(金融IT化)、自動運転、協調型ロボットといった技術革新にかかわるテーマが、銘柄選択をするうえでも有力な材料となるのではないでしょうか。

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