NISAに適した金融商品は?〜株式編 NISA拡大には逆風、日本株は正念場へ

月額買い付け額が初めて3,000億円を突破

 1月は、原油先物価格や中国景気の先行き不透明感を背景に、日経平均株価が乱高下する相場状況の中、NISAを通じた投資は拡大していました。日本証券業協会によれば、1月のNISA総買い付け額は3,493億円(前月比2.4倍)に増加し、初めて月間で3,000億円を突破。1月に買い付け額が増加する季節的要因はありますが、前年同月と比べても33.3%増と大きく伸長しています。最大の要因は、非課税枠が年間100万円から120万円に増加したことです。非課税枠に余裕ができたことで、投資を積極化させた個人の投資家が増えたようです。また、1月の日経平均株価が1,515円(約8%)下落するなど株式市場が低迷したことで、戻りを狙う個人投資家もいたようです。

 また、金融庁は2月19日、15年12月末時点のNISA口座の利用状況(速報値)を公表しました。NISAを通じた個人投資家の買い付け額が12月末時点で6兆4,465億円となり、9月末時点から10.0%増加。口座数も987万口座と9月末時点から3.1%増加、金融庁は投資額と口座数ともに堅調な伸びが続いていると評価しています。

図表1:NISAの月次買い付け額の推移

図表1:NISAの月次買い付け額の推移

出所:日本証券業協会のデータを基にモーニングスター作成
調査対象は主要証券会社10社(大手証券5社、ネット専業証券5社)

NISAと日経平均の関係

 NISAを通じた投資では、非課税という恩恵を受けるための前提として、当然ながら利益を確保することが重要です。そして、中・長期の投資を目的としている点では、購入コストを抑えること、つまり安いところで買うという投資戦略は理にかなっているといえます。1月のNISA口座を通じた買い付け額が増加したことは、下落した局面を拾うといった個人投資家の動きが活発化したことを表しています。

 では実際に、これまでの株価下落局面で、NISAからの買い付け額がどのように変化したのでしょうか。NISAが始まった14年1月から16年1月まではデータ数が十分とは言えませんが、これまでに日経平均が2カ月連続で下落した局面は3度ありました。まずはNISAが開始された直後の14年1月から4月までで、日経平均株価は4カ月連続で下落しました。特に最大のチャンスとなった4月(結果論ではありますが)は買い付け額が逆に減少しました。また、2度目となる15年の8月−9月には日経平均株価は3,000円以上下げる大幅安となりましたが、特段買い付け額に大きな変化はみられませんでした。3度目は先程触れた、15年12月から16年1月の期間です。1月は非課税枠の拡大開始という特殊要因もありましたが、買い付け額は大幅に増加しています。

 これまで3回の株価下落局面では、株価の下落と買い付け額の増減に明確な相関性は見られていませんが、16年1月の動きを見る限りでは、NISAを有効に活用した投資が広がっているのかもしれません。

図表2:NISAの月次買い付け額と日経平均株価の推移

図表2:NISAの月次買い付け額と日経平均株価の推移

出所:日本証券業協会のデータを基にモーニングスター作成

日本株は正念場に

 4月からいよいよジュニアNISAも始まり、業界全体で盛り上がり始める時期ですが、足元の相場状況は、関係者の頭を悩ませているかもしれません。

 日経平均株価をトレンド(方向感)で見た場合、アベノミクス相場と呼ばれる中期の上昇トレンドは、16年に入り完全に崩れました。12年6月に付けた安値8,295円を起点としたトレンドラインを引いてみると、16年に入り日経平均株価はこのラインを完全に下回っているからです。

図表3:日経平均株価の推移(週足)

図表3:日経平均株価の推移(週足)

出所:モーニングスター

 今後予想されるトレンドは大きく分けて3つ。このまま株価が下落するパターン、トレンドラインを目指し切り返すパターン、そしてこの水準でもみ合うパターンです。日本株は正念場に差し掛かっており、トレンドが明確になるまでは一旦様子見姿勢に転じるのも手かもしれません。NISAには株価が本来の価値を下回った下落局面で割安株への投資が有効な戦略ですが、日経平均株価に関して言えば、このタイミングで株価が下がりきったとはまだいい切れないでしょう。先行き不透明感が強いこのような場面では材料株など個別銘柄へ資金が流入しやすいことから、足元ではより割安で、中・長期の投資を見越し、増配が期待できる高配当銘柄への投資などが有効ではないでしょうか。割安で増配を継続している、高配当銘柄をスクリーニングしてみましたので、投資の参考としてみてください。

図表4:割安高配当銘柄スクリーニング

銘柄名 PBR(倍) 予想配当利回り(%) 上場市場 東証業種名 時価総額(億円)
日産自(7201) 0.8 4.34 1部 輸送用機器 43,792
日鉄住金物(9810) 0.6 4.20 1部 卸売業 1,105
双日(2768) 0.5 3.57 1部 卸売業 2,803
洋インキHD(4634) 0.6 3.42 1部 化学 1,328
阪和興(8078) 0.7 3.38 1部 卸売業 1,003
アマダHD(6113) 0.9 3.26 1部 機械 3,948
東ソー(4042) 0.8 3.24 1部 化学 2,809
コニカミノル(4902) 0.9 3.18 1部 電気機器 4,745
椿本チ(6371) 0.8 3.16 1部 機械 1,210
AOKIHD(8214) 0.8 3.16 1部 小売業 1,148
奥村組(1833) 0.8 3.14 1部 建設業 1,308
三菱マ(5711) 0.7 3.12 1部 非鉄金属 4,221
日本紙(3863) 0.5 3.11 1部 パルプ・紙 2,246
リコー(7752) 0.7 3.09 1部 電気機器 8,425
旭化成(3407) 0.8 3.07 1部 化学 9,151
中電工(1941) 0.6 3.02 1部 建設業 1,554
協エクシオ(1951) 0.9 2.98 1部 建設業 1,503
三菱重(7011) 0.8 2.97 1部 機械 13,646
住友重(6302) 0.8 2.97 1部 機械 2,901

出所:モーニングスター、Quick
全上場銘柄対象。スクリーニング条件は、時価総額1,000億円以上、今期会社予想を含め3期連続増配企業(分割考慮後の配当)。PBR1倍以下。2月26日時点

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