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株式ニュース



アナリストの視点(国内株式):IOF復活で一時的波乱もブラジルが世界で最も熱い

2009/10/22 10:01

 現地20日のブラジル金融市場で、主要株価指数のボベスパ指数が一時4.7%急落したほか、外国為替市場でもレアルが対米ドルで一時2.7%、対円で瞬間2.2%それぞれ下落するなど波乱展開となった。外国人投資家に対するレアル建て金融取引に対する課税(IOF)を突然税率2.0%で復活させたことが要因だ。

 IOFは昨年10月23日、リーマン・ショックを受け新興市場国から資金逃避が続く中で廃止(従来課税1.5%)された。今回の復活は自国通貨レアル上昇に対する防衛的措置。もっとも市場関係者の間では、「危機終了宣言」とポジティブに受け止める向きも少なくない。従来課税から実質引き上げという今回の措置は、輸出が急増するブラジルにおいてレアル高騰の抑止策であることに疑う余地はないが、ブラジル経済が良好状態にあることを示唆しているものでもある。従って、ブラジル金融市場の波乱は一時的なものにとどまると考えた方が良いだろう。

 2014年のFIFA(国際サッカー連盟)ワールドカップ、16年のリオデジャネイロ五輪を控えるブラジルは、2000年以降一躍脚光を浴びた中国と同様、日本の株式市場でも大きな存在感を示す可能性が濃厚だ。特にブラジルは、海外で最も日系人の多い国(150万人)で日本と親密な関係にある。

 ブラジルの国土面積は日本の22倍強、世界で5番目の広さを誇る。人口も1億9400万人で世界第5位。しかもインドと同様、若者中心のピラミッド型人口構成だ。日本が高度経済成長に突入した昭和30年代と同じである。BRICsの一角を占め、GDPの規模でも世界第10位。

 日本との決定的な違いは資源大国であること。エネルギーは100%自給で、現在、海底油田が注目されている。農業大国でもあり、農産物輸出では砂糖、コーヒー、牛肉、オレンジジュース、タバコなどが世界第1位。バイオエタノール輸出でもトップだ。大豆、鶏肉でも第2位である。

 またブラジルというと、「ハイパーインフレ」のイメージが付きまとうが、それも過去の話。大豆や鉄鉱石などの輸出拡大によって、外貨準備高は直近の公表で2322億ドル(21兆1000億円)と過去最大規模に膨らんでいる。こうしたことが反映されてブラジルの格付けは「S&P」や「フィッチ」で投資適格となっている。

 FIFAワールドカップ、オリンピック開催の経済効果は膨大だ。競技場や選手・観光客の宿泊施設のほか、鉄道、高速道路、空港、港湾などのインフラ整備で、10−13年の間に3590億ドル(約32兆円)に達すると試算されている。W杯が開催される2014年までに開業を目指す高速鉄道計画では、リオデジャネイロ、サンパウロ、カンビーナスの主要3都市(約510km)を時速300キロ、2時間半で結ぶ。同計画だけでも総建設費は約1兆7000億円に及ぶ。


 鉄道建設計画関連では三井物産 <8031> 、三菱重工業 <7011> 、川崎重工業 <7012> 、東芝 <6502> 、日本車輌製造 <7102> 、近畿車輛 <7122> 、東洋電機製造 <6505> 、ナブテスコ <6268> 、日本信号 <6741> 、京三製作所 <6742> 、オムロン <6645> 、グローリー <6457> など。海底油田関連では日揮 <1963> 、千代田化工建設 <6366> などプラント株。バイオエタノール関連では三井製糖 <2109> 、東洋精糖 <2107> など。また日本式を採用した地上波デジタル関連ではピクセラ <6731> 、電気興業 <6706> など。早くからブラジル進出を果たしたヤクルト本社 <2267> は制がん剤関連としても見直し機運が高まっている。
(久下 隆)

提供:モーニングスター社

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