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●単独インタビュー=ジム・ロジャーズ氏に聞く(上)―「世界経済回復のけん引役はアジアと資源」

2009/11/05 19:40

 モーニングスターでは、世界的に著名な米投資家ジム・ロジャーズ氏に単独インタビューを行った。ロジャーズ氏は、ラーニングエッジ社が主催する「Wealth Management Forum 2010」セミナーでの講演のために来日中。インタビューの中で、ロジャーズ氏は、アジアと資源が今後の世界経済回復のけん引役になると予想すると同時に、金、原油に対して強気な見通しを示した。

 ――現在の世界経済の状況をどうみているか?
 「昨年が余りにも悪かったこともあるが、良くはなっている。ただ、今後1−2年は悪くなることもあるだろう」

 ――いわゆる「リーマン・ショック」からどの程度立ち直っているとみているか?
 「政府が大量に資金を使うことで一時的には良くなっているが、私からみれば、傷に絆創膏(ばんそうこう)を貼るようなもので、問題の先送りだ。長期的にみて本当の回復はないとみている。将来的には、通貨の問題、不況の問題などが出てくるだろう。ただ、経済の全体的な回復は難しいが、水処理、農業、コモディティ(商品)は良くなるとみている」

 ――経済が回復する中でけん引役となる国、もしくはテーマは?
 「一般的には資源国だ。ベルギーよりはブラジルが、イタリアよりはオーストラリアが、アメリカよりはカナダの方が状況が良い。また、日本、中国も欧米よりは良い。総合的に言えば、アジア諸国の方が西欧よりも良い。良いと思うところは、中国、韓国、香港、シンガポールなどアジアだ。テーマに関しては、よく分からない部分もあるが、あえて言えば、アジアと資源だ。また通貨もある。通貨は今後10−20年で大きく状況が変わるだろう」

 ――農業、水処理の話が出たが、いわゆる「グリーンニューディール」や環境問題は経済回復のテーマとなるか?
 「世界的に政府がグリーンニューディールをサポートしているので、明るい。ソーラーパワー(太陽光発電)も、個人的には経済的だとは思わないが、政府がサポートする方向にあるので、明るいだろう」

 ――ドルは今後も基軸通貨として成り立つとみているか?
 「そうは思わない。ステータスが落ちている。状況が悪い。歴史的にみても、現在のアメリカの状況は悲惨であり、今後もっと悪くなる。アメリカ政府は今後もドルの印刷を続けるだろうが、すでにドルの使用を拒む人も出ている。ドルは今のステータスを維持できないと思う」

 ――ドルに変わる基軸通貨はユーロか元か、それともドル、ユーロ、元の3つが中心となるか?
 「もし、あすにドルが崩壊するならばユーロしかない。しかし、20年先なら元だ。ユーロ以外で強くなるとすればアジアだろう」

 ――円が基軸通貨になる可能性はあるか?
 「円ということでなく、アジアの通貨というパッケージだ。円、ウォン、元を一緒にしてユーロのような通貨をアジアで作ることだ。ただ、地域共通の通貨を作るには時間がかかる」

提供:モーニングスター社