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2度の合併を経て、国内最大級の総合型REITへ=野村不動産マスターファンド

2017/01/23 11:06

 野村不動産投資顧問NMF運用グループのファンドマネジメント部長の増子裕之氏は、同社が運用している野村不動産マスターファンド投資法人(NMF) <3462> について、以下のように語った。

 NMFは「総合型」に分類され、オフィルや住宅などあらゆる物件に投資するREITだ。この他、複数の用途の物件に投資する「複合型」、あるいは、オフィスビルなど特定用途の物件に投資する「特化型」がある。特化型には、オフィスの他、住居、商業施設、物流、ホテル、ヘルスケアなどの用途がある。

 また、16年11月末現在のJ−REIT予想配当利回りの平均は約3.6%程度あり、NMFは約3.4%だ。6%超から2%台のものまであり、規模や、それによるリスクの低さや安定性によって利回りはさまざまである。

 15年10月に、「オフィス」「住宅」「物流・商業施設」の3つの特化型REITが合併し、総合型のNMFが誕生した。さらに、16年9月に「トップリート投資法人」と合併し、物件数272物件、資産規模9328億円という国内で第2位の規模を持つREITに進化した。(合併公表時点の数値)

 規模が大きな総合型REITの特徴として、分配金の安定性、投資口価格(株価)の安定性が期待される。そして、大手の不動産会社をスポンサーに持つことによって、持続的な物件取得が期待できるというメリットがある。大手の不動産開発会社が、それぞれに自前のREITを運用するようになり、優良物件を外部から調達することが難しくなっている。

 大型化は、テナント退去等のリスクの影響が小さくなるメリットがある。たとえば、保有するオフィスビルでテナントが退去して1億円の減収になった場合、NMFのように418万口の投資口がある場合の分配金に与える影響は1口当たり23円だ。分配金に与える影響は0.8%の減額に止まる。

 また、大型化はリスク許容度の向上というメリットがある。大規模であることにより保有物件の入れ替えによる収益、分配金への影響度も抑えられるので、物件の入れ替えを進めてポートフォリオの質的向上が図りやすい

 NMFは、景気感応度が高く好況時に賃料の上昇が期待できるオフィスビルや駅前商業施設など「成長型」の物件、そして、契約期間が長く固定賃料のケースが多い住宅や物流施設、郊外型商業施設など「安定型」の物件を組み合わせ、ミドルリスク・ミドルリターンの安定収益を実現している。現在、成長型58.2%、安定型41.8%というポートフォリオの組み合わせになっている。

 野村不動産が開発するオフォスビル「PMO」、都心部を中心に展開する商業施設「GEMS」、物流施設の「Landport」、そして、居住用施設の「PROUD FLAT」など各セクターでブランド化された優良物件を取得し、かつ、不動産管理・運営においても野村不動産グループの力を活用するマネジメントパイプラインによって、質の高い不動産ポートフォリオを維持できるメリットがある。

 また、NMFは戦略的資産入替(SPR)を推進しており、過去半年間で、約340億円分の物件を売却し、約210億円の物件を取得した。(16年12月9日時点の数値)売却した物件のうち、約180億円分は築年数が古いものの駅へのアクセスが良く再開発による価値向上が有望な物件であるため、野村不動産に対し、再開発を前提とし、かつ中長期的な成長を見据え優先交渉権付きで売却した。SPRの結果、ポートフォリオの平均築年数は19.7年から18.4年に短縮し、修繕費などの経費削減効果を出すことができた。

 15年10月の3REIT合併を機に、10カ年の中・長期運用戦略を策定し、「Quality」「Growth」「Master」の3フェーズでの将来像を描いて運用している。16年9月にトップリートと合併したことによって、すでに資産規模は9328億円に成長。当初の予想分配金2710円は、2905円に成長した。Qualityフェーズを前倒しで推進している。

 現在、野村不動産グループとのマネジメントパイプラインの最大化などによって賃料水準の向上など内部成長を強化し、高いQualityを維持した成長をめざしている。今後、5−6年後には資産規模1.5兆円をめざし、LTV(資産規模に対する借入比率)を適正にコントロールして分配金の安定成長を図っていきたい。

 NMFとしては、今後も、安定的な分配を行って、投資家の方と、継続的な関係を持ち続けることが重要だと考えている。名実ともにJ−REITの代表銘柄として相応しいパフォーマンスを残していきたいと考えている。
提供:モーニングスター社