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8期連続の公募増資で規模拡大し「安定」かつ「成長」を追求=オリックス不動産投資法人の成長戦略

2017/01/23 11:06

 オリックス・アセットマネジメント取締役常務執行役員の金澤純子氏は、同社が運用しているオリックス不動産投資法人(オリックスF) <8954> について、以下のように語った。

 金利が低く、変化の激しい時代にあって、資産運用をどうしたらよいのかと多くの人が悩んでいる。収益性、成長性も大事だが、安定性も大事だと思われている。オリックスFは、安定的な成長を目指す老舗J−REIT。

 オリックスFは13年3月以降、現在まで8期連続で公募増資を実施し、J−REIT業界における地位が飛躍的に向上した。この期間に約2700億円、40件以上の物件を取得した。その結果、J−REIT全57銘柄中で資産規模は第5位、時価総額は第7位の大きなREITになった。

 規模が大きくなったことで、安定的な収益を確保しながら、成長性にも目を向けた投資が拡充できるようになった。それが投資口価格の向上につながる好循環になっている。

 8期前は、収益性や安定性を重視した物件ポートフォリオだった。そこから、収益性と安定性を兼ね備えた商業施設や都心ターミナル駅近物件への投資をし、回復の兆しが地方にもあると見て政令指定都市の好立地物件にも投資。さらに、資産規模が5000億円を超えると成長性を重視した大規模開発物件にも投資した。そして、直近ではホテルやサービスアパートメントも投資対象に加え、成長機会の多様化を図っている。

 積極的な規模拡大は、投資口価格に良い効果をもたらし、オリックスFの価格は東証REIT指数を安定的にアウトパフォームしている。17年の年間予想分配金利回りは16年12月8日終値ベースで3.4%。国債や株式の配当利回りと比べて高い利回りを維持している。

 オリックスFには3つの特徴があり、その特徴を生かして投資主価値の安定的な成長をめざしている。まずは、オリックスグループの広範な事業基盤をオリックスFの成長や運用に生かす「オリックスシナジー」。オリックスは、不動産事業を柱のひとつに位置づけ、全国に幅広い用途にわたる開発・賃貸・運営物件を所有している。このグループ所有の不動産物件は、REITが投資する物件になり得る。また、全国1000カ所以上のグループ拠点から得られる物件情報などは、投資判断に活用されている。

 次に、さまざまな用途の物件に投資している「総合型リート」として成長性と安定性を兼ね備えた運用ポートフォリオを有している。オフィスにおおむね60%を投資し、商業施設、住宅、物流などに投資。「成長性」「安定性」「収益性」の3つのバランスを考えた投資を行っている。

 そして、「ダイレクトPM」に代表される「運営力」によってREITの内部成長を実現している。一般のREITは、資産運用会社は不動産管理会社に物件の管理業務を委託しているが、オリックスFは不動産管理会社と共同で物件管理にあたる考え方で運営している。テナントとの賃料交渉なども直接行い、テナントの業況や潜在ニーズを把握し、それを物件運営に活かして運用不動産の収益性の維持・向上につなげている。

<1口あたり分配金の安定的成長を目指す方針>

 近年の実績としては、外部成長として新規物件の取得に積極的に取り組んでいる。デザイン性に優れた首都圏オフィスや地方都市の大型商業エリアの中に立地する複合物件、また、ホテルと賃貸マンション双方の特性を併せ持つサービスアパートメントやホテルなどを取得した。

 また、16年8月期の保有物件全体の稼働率は約98%と高水準であり、ポートフォリオの60%を占めるオフィスの稼働率も97%程度で安定推移している。また、既存テナントの更新における入れ替え賃料改定面積は17%程度であるが、そのすべてが増額改定など、安定的な内部成長実績を積み上げてきている。

 財務戦略では国内の低金利環境を活かした調達コストの削減が順調に進展。16年8月期の平均調達コストは1.09%になっている。調達先金融機関も大手銀行を中心に幅広く29社から借り入れを行って安定的な関係を築いている。また、総資産ベースのLTV(有利子負債比率)は50%を上限にコントロールしているが、16年8月期で44%の水準であり、約700億円の借入余力がある。格付けはJCR(日本格付研究所)が15年にAA−から一段上げてAA。スタンダード&プアーズも16年にA−からAに格上げした。

 このような外部成長・内部成長・財務戦略をバランスよく組み合わせ、1口当たりの分配金を安定的に成長させている。今後も安定的に分配金を成長させていく所存である。
提供:モーニングスター社