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<★★★★★>損保ジャパン日本興亜AM「株式時代」、好配当株式のバリュー運用を愚直に続ける価値

2017/01/25 18:20

 損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントが設定・運用する「好配当ジャパン・オープン」(愛称:株式時代) <2006022805> が16年12月末基準でモーニングスターレーティング最高位の5つ★に格付けされた。3年(年率)トータルリターンは11.75%でカテゴリー(国内大型バリュー)平均(6.69%)を大きく上回った。同ファンドの特徴について、損保ジャパン日本興亜アセットマネジメント株式運用部インベストメントマネージャーの牟田知倫氏に聞いた。

――ファンドの好パフォーマンスの要因は?

 過去3年間の日本株は、振り返ってみると結果的にバリュー戦略もグロース戦略も同じように効かない市場だったといえる。その中で「好配当」に着目した運用は、「PER(株価収益率)」や「PBR(株価純資産倍率)」と比較して相対的にTOPIX(東証株価指数)をアウトパフォームする要因として効果的だった。

 「好配当」は、コーポレート・ガバナンスの強化やスチュワードシップコードの導入により資本効率の観点から株主還元の強化を打ち出した企業が多くあったことで社会的な関心が高まった。実際に、日本企業の配当総額は09年度の5.4兆円をボトムに、15年度は10兆円を越える水準に増加し、16年度も企業利益は11%程度の経常減益予想ながら、配当総額はプラスになる見通しと、株主還元の姿勢を緩めていない。配当に関する不確実性が大きく後退したことが、「好配当」が選好される背景にあると考える。

 ファンドは、配当利回りの高い銘柄群の中から、当社が独自に作っている「割安度情報」に基づく銘柄選定を行ってポートフォリオを組んでいる。当社の「割安度情報」は、「好配当」ファクター以上にファンドの超過リターン獲得に貢献している。これは、他社の日本株・好配当ファンドとの比較において、16年半ば以降に当ファンドが超過リターンで優位となっていることでも確認できる。

――独自の「割安度情報」とは?

 当社は、リサーチ対象の全700銘柄について投資価値を算出し、実際の株価との比較から相対的な割安度を計算し、ポートフォリオ構築に用いている。

 投資価値の分析は、企業の中・長期の業績予想に重点を置いている点、企業の「ポテンシャルも加味した成長率や株主還元」を反映している点、現在価値の算出に用いる割引率については「銘柄ごとのリスク水準の違いを反映した割引率」を用いて精緻に分析している点などが特徴となる。中・長期の業績予想や、各社の事業戦略や株主還元姿勢なども企業の投資価値分析に反映する点が、他のバリュー投資家とは差別化されたパフォーマンスにつながっていると考えている。

 現在価値に対して、株価が割安にある銘柄に投資するという手法を愚直に実施している。当ファンドと同じマザーファンドで運用しているファンドに、「みずほ好配当日本株オープン」 <2005061503> (★★★★★、12月末現在)がある。

――当面の日本株市場の見通しは、ファンドの運用環境としてプラスか?

 日本株式市場は、長期にわたりバリュー株投資に優位だったものの、リーマン・ショック以降にバリュー指標が効きづらくなっていた。世界的に大規模な金融緩和が解消しない、すなわち、世界景気に回復感が出てこない中では、業績回復による株価の割安水準の訂正という動きも出てきにくかったという背景がひとつある。

 また、超低金利のもと、債券を中心に運用するファンドが株式を加えてリターンを高めようとし、低リスクの最少分散投資を選択する傾向が強まった。この最少分散ポートフォリオは、おおむね内需・ディフェンシブ、グロース株と重なる銘柄群なので、需給の面もバリュー株には逆風となった。

 そして、低金利下では無リスク資産の利回りが低くなるので、全銘柄で一律に計算上の割引率が低くなるが、そのような中では、期待成長率が低く低PERとなっている銘柄と期待成長率が高く高PERが許容されている銘柄の無リスク資産の利回り低下に対する感応度の違いが強調されることも、バリュー株には不利に働いた。

 しかし、バリュー投資への逆風となっていた金利低下期待は、16年夏に転換した。金融政策の限界が意識され、経済が循環的な回復を始めたことなどを背景に、異常な低金利環境は終えんし、金利正常化の過程に入ったとみており、今後もバリュー投資を実践する当ファンドにとっては、良好な市場環境が続くとみている。

 なお、日本株市場は、今後予想される企業業績の回復、割高感のないバリュエーション、好需給などを背景に堅調な展開を予想している。
提供:モーニングスター社