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チリ大地震で銅供給に不安、住友鉱、三菱マ、新日鉱HDなどに思惑買い

2010/03/01 12:55

 2月27日午後、チリ中部でマグニチュード(M)8.8の大地震が発生。チリは銅産出量世界首位でシェア約36%を占めており、供給不安による銅価格上昇を見込み住友金属鉱山 <5713> 、三菱マテリアル <5711> 、新日鉱ホールディングス <5016> 、日鉄鉱業 <1515> 、三井金属 <5706> など銅関連銘柄は買い優勢の展開が続く。
 銅はインフラ整備に欠かせない電線の素材で、中国などでは銅の需要に供給が追いついていない。地震による銅鉱山の操業停止や港湾施設破損による供給懸念から、1日の上海先物取引所の銅先物は1トン=6万1050元でストップ高となった。
 実際に銅鉱山にどの程度の影響があるのかは、各社とも把握しきれていないようだ。ただ、大型の銅鉱山はチリ北部に位置し、震源地から離れていることもあり、いまのところ大きな被害は報告されていない。
 首都サンティアゴから北に200キロにあるロス・ペラムベレス鉱山の権益を持つ三菱マ、新日鉱HDは「現在、情報収集中。社員の安否は確認したが、それ以外は確認していない」(三菱マ)、「震源地は当社の関係している鉱区から離れているので、いまのところ特に操業面で問題は生じていない」(新日鉱HD)と話す。
 アタカマ鉱山の権益を保有している日鉄鉱業も、「鉱山はサンティアゴから北に800キロ離れているので、大きな影響はないだろう。電力供給などに不安が残るものの、北部地域で電力不足に陥っているとの情報はない」(総務課)とした。チリ北部に鉱山権益を持つ住友鉱は、「詳細は調査中。ただ、一時的に影響が出る可能性は否定できない」(広報担当)とする。
 野村証券は1日付サマリーで地震による影響について、「日系企業が出資している銅鉱山も含め、現時点では操業には大きな影響はないものの、港湾や道路などのインフラ面での損害がある可能性には注意が必要」と指摘。今後、インフラ面の損害がLME(ロンドン金属取引所)銅市況を突き上げる可能性もありそうだ。
 また、その他に市場からは「住友鉱は権益を米国、ペル−、チリに保有しているが、米国とペルーが大きいため影響が少ない。むしろ供給懸念による銅市況の上昇が見込まれることから、恩恵のほうが大きいのではないか。三菱マ、新日鉱HDが権益を持つ鉱山は震源地に近く、意外に影響が大きいこともあり得る」(外資系証券)との声が出ている。(宮尾克弥)

提供:モーニングスター社