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アイスランドの火山噴火、空路復活の兆し、長期的には農作物への影響も

2010/04/19 16:42

 アイスランドで起きた火山噴火による影響が深刻となっている。特に火山灰による影響で空路が混乱。火山灰が拡散しているため影響度は2001年の9・11テロ以上ともされ、ポーランド大統領の国葬参列を予定していた各国首脳も断念。欧州各地の空港が閉鎖された15日以降は他の大陸からの移動すら困難になっていた。

 日本から欧州へ向かう便も欠航が相次ぎ、全日本空輸(ANA) <9202> は「正直、ゴールデンウイーク前の災害は痛い。当社の欧州便は1日にロンドン、パリ、フランクフルト行きが3便。15日から全便欠航しているが、3便合計の1日売上高は1億2000万円から1億5000万円で、きょうも欠航を決めたのですでに6億円前後の損失。一部で空港機能が再開したとの報道もあるが、いつ再開するかは慎重に判断して決めたい」(広報部)と話す。
 ただ、火山の勢いは弱まっているとの情報もあり、週明け19日には空港機能の回復が見込まれている。すでにドイツのベルリン空港などでは一部機能を再開。欧州委員会のカラス運輸担当委員は、欧州離発着便の半数近くは19日に運航可能になるとの見方を示した。日本からもアリタリア航空のローマ便が19日午後、関西国際空港から出発する予定で、火山の勢いがこのまま沈静化すれば今週中には復旧の見込みが立ちそうだ。

 一方、空路が正常回復しても噴火の影響が残る可能性はあり得る。1783年に起きたアイスランドのラキ火山噴火は北半球に低温化・冷害、農作物の不作を起こした。日本で天明の大飢饉の一因(直接的な要因は浅間山の噴火)となり、欧州ではフランス革命の遠因になったと言われる。過去の例から不作から農作物が値上がりすることを見越し、ファンド資金が小麦をはじめとする農作物先物に向かうことがあり得る点は留意しておきたい。

 関連銘柄はプラスかマイナスかの判断は難しいものの、カネコ種苗 <1376> 、サカタのタネ <1377> 、住友化学 <4005> 、日産化学工業 <4021> 、田岡化学工業 <4113> 、三井化学 <4183> 、コメリ <8218> などが挙げられる。ヤマタネ <9305> 、木徳神糧 <2700> などの米穀卸もマークしたい。小麦やトウモロコシなどの穀物では丸紅 <8002> 、三井物産 <8031> などの総合商社か。また、農作物が値上げとなれ山崎製パン <2212> 、日本マクドナルドホールディングス <2702> 、ワタミ <7522> など飲食系の銘柄にはマイナスだろう。(宮尾克弥)

提供:モーニングスター社