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<話題>防衛産業に朗報、F−X選定遅れF−2支援戦闘機追加調達か

2010/07/20 18:40

 19日付産経新聞は次期主力戦闘機(F−X)の機種選定の遅れを受け、防衛省がF−2戦闘機20機程度の追加調達を検討していることが分かったと報じた。報道によれば中国が航空戦力を近代化させていることを踏まえ、防空体制に空白が生じるのを防ぐのが狙い。また、F−2の生産が予定通り2011年度に終了した場合、戦闘機の生産・技術基盤が失われるとの防衛産業の懸念もくんでいるという。

 防衛省は老朽化したF−4EJ改の後継となる選定を進めてきたが、最有力候補とされたF−22が最先端技術の国外流出を嫌う米議会の禁輸措置を受けたため、F−Xとしてはかなり厳しい状況になっていることが背景にある。F−22以外のF−X候補としてはF−35やユーロファイタータイフーン、F/A−18E/Fが候補に挙がっており、特にステルス性の高いF−35が候補に挙がるものの、テスト中の機体のため日本が購入できる時期は不透明。しかも日本は共同開発に加わっていないことからF−4、F−15Jのようにライセンス生産できるかは微妙で、日本の航空産業は技術を失う恐れが出ている。

 F−2は支援戦闘機F−1の後継機として、ロッキード・マーティン社のF−16をベースに日米が共同開発した第4.5世代ジェット戦闘機(三菱重工 <7011> は主契約企業)。2000年から部隊配備を開始し、94機の調達を予定している。本来は対艦攻撃を中心とした支援任務が中心だが、要撃任務にも用いることができるため追加調達の検討につながった可能性が高い。

 追加生産の恩恵を最も受けるのは当然、三菱重工だろう。F−2は1機推定120億−130億円。20機の調達はかなりの大型受注になる。F−2は関連企業も多く、恩恵も広がりそうだ。

 最終組み立ては三菱重工だが、部品や各ブロックの生産は川崎重工業 <7012> 、富士重工業 <7270> 、エンジンのライセンス生産はIHI <7013> が行う。また、日本航空宇宙工業会によるとF−2には、小糸製作所 <7276> 、島津製作所 <7701> 、新明和工業 <7224> 、ナブテスコ <6268> 、住友精密工業 <6355> 、ダイキン工業 <6367> 、日立製作所 <6501> 、東芝 <6502> 、三菱電機 <6503> 、日立国際電気 <6756> 、日本航空電子工業 <6807> 、NEC <6701> 、古河電池 <6937> 、住友電気工業 <5802> 、ダイセル化学工業 <4202> 、東京計器 <7721> 、東レ <3402> 、三菱レイヨン <3404> 、横浜ゴム <5101> 、神戸製鋼所 <5406> 、日立金属 <5486> 、三菱マテリアル <5711> 、横河電機 <6841> などがかかわっている。

 武器面も改修されたF−2が搭載できる99式空対空誘導弾(三菱電が主契約企業)、F−2を中心に運用する93式空対艦誘導弾(三菱重工を中心に製造)は増産となれば発注数が増えそうだ。

 ただ、増産の結論を出すなら急ぐ必要がありそうだ。例えばF−2の先頭部分にあたる「レドーム」の担当企業は生産からすでに撤退しており、生産技術基盤維持は待ったなしの状態。この経済状況では企業側には余計な生産設備を置いておく余裕はない。急がないとF−2の生産すら危ぶまれる状況に陥る可能性もありそうだ。(宮尾克弥)

提供:モーニングスター社