BRICSロシア=ロシアが国営企業の大規模民営化を計画、欧州ソブリンリスクの「二の舞い」を阻止
2010/07/29 18:35
ロシア政府は巨額の財政赤字を穴埋めするため、国有財産の売却に動き出す。クドリン財務相は現地時間28日、国営企業の株式290億ドル(約2.5兆円)相当を向こう3年間にわたって市場で売却する方針を示した。複数のメディアが日本時間29日に報じた。
いくつかの試算によると、共産党政権崩壊後の1990年代に資産売却が行われた時以来、最大規模の民営化が進められるという。ロシア政府が売却するのは各企業の少数株に限定され、依然として政府がそれぞれの企業の支配権を握るものの、個人投資家のシェアを拡大し、投資家が投資行動によって被るリスクと利益を拡大する考えだという。
ロシア当局が明かしたところでは、株式の売却対象となるのは国営石油会社ロスネフチ、国営鉄道会社、商船、国営銀行2行、水力発電ダムの運営会社などを含む11社。
現地28日付のNYタイムズ(電子版)によると、今回の資産売却の規模の大きさからは、欧州圏におけるソブリンリスクがロシアにも及びつつあるとの懸念が背後にあるとみられる。IMF(国際通貨基金)の推計では、ロシアの2010年の財政赤字は実質GDP(国内総生産)の5.9%に達するという。今回の計画はプーチン首相が主導したもので、同氏は2015年までにロシアの財政赤字を解消する方針を述べたとされる。
NYタイムズの報道では、ロシアは4670億ドル(約40兆6000億円)相当の金と外貨準備を保有している。しかし、これらを売却すればルーブル高を招いて国内企業にダメージを与える可能性があるほか、原油価格が再び下落した場合には「ロシアの戸棚が空になる」事態が危惧されている。
提供:モーニングスター社