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株式ニュース



迫る主力製品の特許切れ、医薬品企業の未来は(1)=ファイザーvsサノフィvs武田薬

2010/07/30 20:01

 医薬品業界は大きな過渡期に入っている。これまで医薬品の業績をけん引してきた主力医薬品の特許が2010年前後に相次いで切れるいわゆる「2010年問題」を抱えているためだ。グローバル企業比較第6弾は世界最大の医薬品会社ファイザー<PFE>、フランスの大手医薬品企業サノフィ・アベンティス<SAN>、そして日本が誇る世界の武田薬品工業 <4502> に注目してみた。今後の成長余地や投資価値はあるのか?

●相次ぐ特許切れ
 医療業界において市場の最大の懸念となっているのが、これまで収益をけん引してきた主力製品の特許切れが相次ぐ、いわゆる「2010年問題」。特許切れが2010年前後に集中した背景には、1990年代初頭、米国の好景気を背景とした市場の拡大と物質の合成・精製能力が格段に進歩した経緯がある。これまでは特許を根拠とした独占販売による高い収益が業績をけん引してきたが、ジェネリック(後発)医薬品の台頭により、特許切れの製品の収益は大きく落ち込む傾向にある。

 ファイザーは2011年に高脂血症治療薬の「リピトール」、今後3年で抗うつ剤「エフェクサー」、ED(勃起障害)治療薬の「バイアグラ」などが相次いで特許切れを迎える。

 サノフィ・アベンティスは2012年の抗血栓剤の「ロベノックス」を筆頭に、2015年までに複数の主力薬品が特許切れとなる見込み。

 武田薬も状況は変らない。糖尿病治療薬「アクトス」が米国で2011年1月に、高血圧治療薬の「ブロプレス」が2012年6月に特許切れとなる。「アクトス」については武田とジェネリック医薬品企業との間で和解が成立しており、ジェネリック企業の参入は2012年8月までないとの見方が広がっているものの、近い将来相次いで主力製品が特許切れを迎える現状に変りはない。

●特許切れのインパクト
 主力製品の特許切れによる収益へのインパクトは大きいと見ておくべきだろう。ファイザーは09年1月にバイオ医薬品、ワクチンに強みを持つワイスを買収、米国でのバイオ事業の拡大と新興国へのアプローチを強化。米モーニングスターでは、「仮にワイスの買収がなかったら、『リピトール』の独占販売権がなくなることにより09年12月期と同水準の売上高が今後10年間続いただろう。それでも『リピトール』の特許切れは同社の利益率を2%押し下げる」と指摘している。ファイザーは過去に高血圧症剤「ノルバスク」の特許切れを受け、数年間で売上高がほぼゼロになった経験を持つ。

 サノフィの「ロベノックス」は同社収益のけん引役となっており、09年は30億ユーロ(3420億円)と1製品で全売上高の約1割弱を占めている。さらに、売上高の伸びは前年比11%増と成長率も依然高い。独占販売権が切れる12年以降、売上の圧迫要因となることは避けられないだろう。

 武田薬については、複数のアナリストが「アクトス」の独占販売期限が切れることによる収益の圧迫は避けられないと想定している。後継薬と期待さていた糖尿病治療薬「SYR―322」の承認も米国で大幅に遅れており、主力医薬品の特許切れが収益に直接影響する見通しだ。

提供:モーニングスター社

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