業界動向を追う=インターネット・セキュリティー業界(2)
2010/08/20 19:31
●企業認証主力の日本ベリサインとドメイン認証主力のGMO−HS、発行枚数で明暗
日本ベリサイン
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は「ベリサイン」ブランドとして、企業認証およびEV−SSLを発行。低価格帯のドメイン認証は別ブランドの「Geo Trust(ジオトラスト)」として発行している。
同社のSSLサーバー証明書有効枚数(「ベリサイン」ブランドのみ)は、6万3100枚(09年6月末)→6万3400枚(同9月末)→6万4500枚(同12月末)→6万4200枚(10年3月末)→6万4400枚(同6月末)と推移。
10年3月末に一時減少したのは価格競争の激化により、割安なドメイン認証を中心とした他社サービスへのシフトがあったものと推察される。しかし、同社は巻き返しに向け営業を強化しており、10年6月には再び増加に転じた。
一方、国内2位のGMOホスティング&セキュリティ
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は「Global Sign(グローバルサイン)」ブランドでSSLサーバー証明書発行事業を手掛ける。
日本ベリサインはSSLサーバー証明書発行事業が売上全体の66.9%を占めているのに対し、同社はホスティングが主力。SSLサーバー証明書発行事業が売上全体に占める割合はまだ17.6%(09年12月期・年間実績)と少ないものの、有効枚数は、1万1488枚(09年6月末)→1万4243枚(同9月末)→1万6169枚(同12月末)→1万7363枚(10年3月末)→1万8561枚(同6月末)と急ピッチで増加が続いている。
同社の主力は低価格帯のドメイン認証で、国内だけでなく海外においても代理店経由でSSLサーバー証明書発行サービスを展開。これが有効枚数増加の原動力になっている。
●両社とも単価下落が進行
日本ベリサインのSSLサーバー証明書発行事業の売上高は、13億5500万円(09年4−6月)→13億2500万円(同7−9月)→12億4800万円(同10−12月)→11億7900万円(10年1−3月)→11億2100万円(同4−6月)と減少傾向。有効枚数は、一時的な減少から回復に向かっているものの、単価下落がこれを上回るペースで進んでいるとみられる。
同社は通常の企業認証に比べ単価が2倍のEV−SSLの販売を強化することで、平均単価の回復を図る方針。同社は「ベリサイン」ブランドにおける企業認証とEV−SSLの内訳を開示していないが、営業強化が奏功し10年4−6月においてEV−SSLの発行枚数は増加しつつあるようだ。
これに対し、GMO−HSのSSLサーバー証明書発行事業の売上高は、3億3700万円(09年4−6月)→3億1600万円(同7−9月)→3億6000万円(同10−12月)→3億8200万円(10年1−3月)→4億2700万円(同4−6月)とおおむね増加傾向にある。
ただ、急拡大している海外売上は、現地における代理店経由の販売になるため、国内に比べ単価は低い。海外売上比率は、50.1%(09年4−6月)→55.7%(同7−9月)→63.2%(同10−12月)→62.7%(10年1−3月)→62.9%(同4−6月)と上昇。これに伴い同社においても平均単価は下落傾向にある。
●SSLサーバー証明書発行市場は二極化へ、今後は他の技術との組み合わせも
SSLサーバー証明書発行市場は今後、認証強度の高い高価格帯のEV−SSLと簡易型で低価格帯のドメイン認証への二極化が進むとみられる。日本ベリサインは前者に注力することで、単価下落に歯止めをかけていく。GMO−HSは、引き続き海外の代理店開拓を進めることにより、単価下落を上回るペースで発行枚数を拡大させていくとみられる。
他方で、SSLサーバー証明書発行事業における認証技術は、インターネット・セキュリティー技術のなかの一部であり、他の技術と組み合わせたトータル・ソリューションとしての提供も可能であろう。
このほど、日本ベリサインの親会社である米ベリサイン・インクは、認証部門を米シマンテックに売却。ベリサイン・インクが所有していた日本ベリサイン株式はすべて売却対象に含まれていたため、日本ベリサインは米シマンテックの傘下に入った。国内におけるサービス提供に変わりはないものの、今後は幅広いセキュリティー技術・製品を持つシマンテックとのシナジー効果が期待されており、SSLサーバー証明書事業においても新展開がみられる可能性もある。GMO−HSは、さまざまなインターネット事業を手掛けるGMOグループ内における協業の可能性もあろう。
ラックホールディングス
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、トレンドマイクロ
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、ソースネクスト
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などセキュリティー技術を有する関連企業の動きにも注目したい。(祝出洋輔)
提供:モーニングスター社