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<話題>中国からのレアアース輸入、なお不安がくすぶる

2010/10/07 11:41

 尖閣諸島沖での海上保安庁の巡視船と中国漁船衝突事故をきっかけに、中国からのレアアースの輸入に関しさまざまな報道がなされている。

 経済産業省は5日、9月28日から30日にかけて行った中国におけるレアアース輸出状況に関するアンケート調査結果を発表。調査結果によるとアンケートを行った152社中66社から回答があり、そのうちレアアースの貿易に直接関与していない35社を除いた31社は、中国からの輸出に支障が生じているという。回答によると、遅延などが発生した地域は、上海、天津、広州、大連など複数地域に及んでいる。EL(輸出許可書)申請時に、通常の英文申請書に加え、中国語の書類も要求されたり、一部の港では通関申請が受理されたが、許可が下りない、保税区において日本向け荷物に対する全品検査が行われ、事実上輸出が止まっているなど、輸出に支障が生じているようだ。経済産業省は「現在も状況は変わっていないと認識している」(非鉄金属課)と言う。

 レアアースなどの輸入が正常化されるまでに時間がかかると、価格の上昇が継続することが懸念される。企業側は、価格上昇分を経費削減などによる自助努力で吸収するか、製品価格へ転嫁することを迫られる場面が訪れる可能性もある。

 荷動きについて、レアアースの取り扱いがトップクラスの双日 <2768> は、「7日まで、国慶節の祝日となっているため、来週以降の動きに注目している」(広報部)とする。

 セリウムを輸入し、液晶パネルやHDD(ハードディスクドライブ)のガラス基板向けに酸化セリウム質研磨剤を販売する昭和電工 <4004> は「9月に製品値上げをお願いした。現在のところ、業績に与える影響はない」(IR・広報室)ようだ。

 高磁力のネオジム磁石などを製造する日立金属 <5486> は、「生産量に見合う在庫は確保している。原材料価格と製品価格がリンクする契約を締結しているため、業績に対する影響はない」(広報部)とした。(高橋克己)

提供:モーニングスター社