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年末特集=「2011年はこうなる」―電子書籍:関連銘柄を総まとめ(その1・総論)

2010/12/30 18:38

 2011年は「電子書籍」が相場の有力テーマとして、一段と存在感を増しそうだ。Amazonの「Kindle」が地ならしをし、Appleの「iPad」が火を点けたこのブーム。2010年12月10日にソニー <6758> が専用端末「Reader」を、シャープ <6753> は「GALAPAGOS」を同時発売し、今後の起爆剤となることが期待される。ソニーにとっては「LIBRIe」からの再挑戦を、シャープにとっては「Zaurus」以来の技術力の活用を意味するといったところか。また、KDDI <9433> は電子書籍端末「biblio Leaf SP02」を投入し、電子書籍配信サービスに乗り出した。この界隈から目を離せそうにない。

 関連業界は大同団結、合従連衡の様相を呈している。ソニーはKDDI、凸版印刷 <7911> 、朝日新聞社と組み電子書籍配信事業会社「ブックリスタ」を設立。NTTドコモ <9437> は大日本印刷 <7912> と電子出版ビジネスで提携。出版業界の川上から川下までにらみをきかす大日本印刷は、凸版印刷と音頭を取り電子出版制作・流通のコンソーシアムを結成しており、これには電通 <4324> も参加している。シャープは「GALAPAGOS」関連で「TSUTAYA」運営のカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC) <4756> とタッグを組む。

 もっとも、日本国内で電子書籍が今後どれだけ普及するかは未知数。当初こそガジェット好きが物珍しさから、普段手にも取らないような活字本を専用端末で得意げに閲覧する場面も見られようが、結局のところ魅力的なコンテンツを提供できなければキャズム(溝)を乗り越えることは困難だろう。

 そうした意味では、国内有数のコンテンツホルダーである角川グループホールディングス <9477> の動向は注目される。電子書籍を中心としたコンテンツ配信プラットフォーム「Book☆Walker」を開設。グランドオープンは2011年7月の予定だが、すでに「iPad」や「iPhone」向けにアプリを提供し始めている。電子書籍のみならずソーシャルゲームなど多角的にサービスを展開していく構想で、グループの既存顧客層との相性も良さそうだ。動画投稿サイト「ニコニコ動画」を運営するドワンゴ <3715> とは、この「Book☆Walker」の連係を含めた包括的な業務提携を結んでおり、ビジネスの幅の広がりが期待される。

−その2・各論に続く−

提供:モーニングスター社