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年末特集=「2011年はこうなる」―電子書籍:関連銘柄を総まとめ(その2・各論)

2010/12/30 18:39

 電子書籍関連の有力銘柄筆頭はプライムワークス <3627> 。元々、セルシス <3829> と組んだ携帯電話用の電子書籍閲覧サービスで知られてはいたが、先ごろ大株主であるシャープ <6753> の「GALAPAGOS」向けに、動画や音声をも組み合わせたインタラクティブな電子書籍コンテンツを提供すると発表し、株価が吹き上げた経緯がある。余談だが、ドコモによる来るべきLTE(ロング・ターム・エボリューション)時代への布石ともみられる、携帯電話専用の動画配信サービス「BeeTV」でシステム・運用など全般を手掛けており、2011年はいよいよ本格化するLTE関連との切り口からも物色を集める可能性がある。

 プライムワークスほか多数の企業と提携するセルシスは、総合電子書籍ビューアー「BS Reader(Book Surfing)」で有名。ボイジャー(非上場)とともに事業展開し、スマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット型端末などにも着々と対応を進める。長らく電子書籍関連の本命株と目されながら、上場市場がネックとなっていたが、2010年11月に東証2部市場にくら替えし問題をクリア。ようやく土俵に上がった格好だ。漫画制作ツール「Comic Studio」やUGC・CGM(ユーザー生成コンテンツ、メディア)支援事業も手掛けており、電子書籍の普及期に個人クリエイターの創作活動の場が広がるような局面でも出番が回ってきそう。

 電子書籍サイト運営系では、国内最大手にして最古のパピレス <3641> が挙げられる。2010年6月に新規上場したばかり。電子書籍の総掲載冊数はパソコン向けで12万冊超を誇る。「GALAPAGOS」「Reader」にもコンテンツを配信。また、各種スマートフォン端末に電子貸本サービスを対応している。市場拡大の恩恵をダイレクトに享受できそうだ。パピレスの大株主にはネット広告代理店大手のオプト <2389> が名を連ねる。電子書籍配信サービスではこのほか、フォーサイド・ドット・コム <2330> やアクセルマーク <3624> などが目立つ。

 インフォコム <4348> は電子コミック配信サービス関連との認識だけでは本質を見誤る。書籍・美術品の電子化技術で実績を有し、Eコマース(電子商取引)など他分野ながら主婦の友社、講談社といった有力出版社と提携関係にあることを勘案すれば、有利な立ち位置を確保していると言えそうだ。大証の新株価指数「JASDAQ−TOP20」への採用で存在感が増大。電子カルテで国策に乗るなど、切り口豊富な銘柄だ。

 忘れてはならないのがスターティア <3393> 。紙媒体を簡単に電子ブックへと変換することができる作成ソフト「ActiBook」を手掛け、「iPhone」「iPad」や「Android」にも対応を進める。ACCESS <4813> はモバイル用プラットフォーム「ALP(Access Linux Platform)」から事実上撤退し、一敗地にまみれた感すらあるが、モバイル向け電子書籍配信サイト「Booker’s」など他事業で再起を図れるか。子会社で「東京カレンダー」などリアルの書籍を発行し、東京都書店商業組合との関係も近い。このほか、先ごろ電子書籍事業への参入を表明したデジタルガレージ <4819> などにも要注目だ。(松尾 繁)

提供:モーニングスター社