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年末特集=「2011年はこうなる」―ベンチャー市場&IPOマーケット展望

2010/12/30 18:52

 ベンチャーマーケットは歴史的な出来事に富んだ1年となった。10月にジャスダックとヘラクレスの市場統合が行われ、ブーム時に乱立した新興市場の再編が進んだ。そのジャスダックでは人気株を集めた「JASDAQ−TOP20」の算出が始まり、算入銘柄に急騰が続出。IPO(新規上場)マーケットに目を移せば、歴史的な超大型案件が上場。銘柄数は09年同様、少なかったが東京市場全般に与えた影響は非常に大きかった。

 ネット株が多く上場するマザーズ指数は前半こそ、昨年末から続く上昇相場に乗ったが、10月以降に暴落。09年安値も更新し、10月18日には344.56ポイントの安値を形成した。東証1部市場が復調に向かうなかで資金が流出し、売買代金が低迷。新興市場は活力を失った。しかし11月以降、小型株市場は出遅れ感を材料に反騰相場入り。日経ジャスダック平均は16日続伸も記録した。新興市場全般は昨年同様、年末に水準訂正を行い、勢いを持って11年相場を迎えることとなった。

 10年のベンチャーマーケットではディー・エヌ・エー(DeNA) <2432> 、グリー <3632> を中心としたソーシャルサイト、そこのゲームを提供するクルーズ <2138> などソーシャルゲーム関連人気が沸騰。11年も引き続きソーシャルメディアやモバイル関連銘柄、電子書籍関連、クラウドコンピューティング関連などが折りに触れて人気を集めそう。新たなテーマとして人気を集めそうなのはグルーポン(非上場)の躍進で注目を集める共同購入クーポンサービス。参入障壁の低いビジネスで、営業力を持つネットサービス大手が相次いで参入している。このほか、本格サービスが始まるLTE(次世代携帯電話通信網)関連も再度、人気化しそうだ。

 指数は例年通り、10年末の勢いを駆って年前半は上昇が期待できるものの、中盤以降は不透明。グリーのように、軸となる銘柄が出現しても東証1部に市場変更するケースが多く、11年もマザーズ時価総額トップ企業に成長したスタートトゥデイ <3092> あたりに“昇格期待”が膨らむ。ジャスダックではTOP20の活躍期待が膨らむほか、市場統合の際に示された信頼回復策、流動性向上策などの効果の表面化も期待される。

 10年のIPOマーケットは第一生命保険 <8750> 、大塚ホールディングス <4578> という超大物ルーキーの登場に沸いたものの、新興市場に上場したベンチャー企業だけを見れば小粒。市場低迷と上場基準の厳格化、会計基準の変更などを経て未上場ベンチャー企業の上場意欲は減退しており、11年も劇的な改善は見込みづらい。上場企業数は30−40社程度までしか増えないとみる。加えて10年のような大型IPOも観測されておらず、地味な1年となりそうだ。

提供:モーニングスター社