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<視点>震災復旧基本法案、大連立、円安でも株安、東電暴露本―何が起きているのか(1)

2011/04/08 18:45

 東日本大地震から1カ月が経とうとしている。日々伝わってくるのは、悲惨な震災から懸命に立ち上がろうとする被災地の人々の姿とそれを支えようとする人々の善意、そして東京電力 <9501> の福島第一原子力発電所の事故処理状況と止まる所を知らない汚染の拡大。東日本大震災という不可逆的変化に対して、政治はどのように動き、経済はどのような局面を迎えているのか。

 <震災復旧基本法案で露見した民主党政治のお粗末さ>

 手元に14ページからなるペーパーがある。表題は、「東日本震災復旧復興対策基本法案(素案)」。民主党の中川正春衆議院議員が座長を務めた特別立法チームがまとめたもので、政府が実施する東日本大震災の復旧復興のための特別立法のベースとなる。

 この素案では、5年間を「集中復旧復興期間」と設定しヒト・モノ・カネを投入して迅速な復旧復興対策を実施するとしている。復旧復興支援としては、阪神・淡路大震災により98年に成立した被災者生活再建支援法に基づく支援金について、現在の基礎支援部分100万円と建築支援200万円の合算300万円を増額するなどの改正を行うことや、被災者生活再建支援のために国が全額負担した新たな基金を設立することなどを打ち出している。

 また、復興復旧のための体制整備として、「東日本大震災復旧復興戦略本部(仮称)」を内閣府内に設置、下部組織として「東日本大震災復旧復興委員会」の設置を提言、さらに、戦略本部に「東日本大震災復旧復興庁(仮称)」を設置し、現地対策本部として「東日本大震災復旧復興総合事務局(仮称)」を設置することを求めている。

 最大の焦点である復旧復興対策の財源措置については、「要検討」としたうえで、公債発行の特例措置として「震災国債」の発行や、復旧復興特別税を進言している(原文を以下に記載)。

 公債発行の特例措置(震災国債)―国は(中略)必要な財源を確保するため、公債の発行の特例に関する措置を定めること(この場合においては、当該公債について、財政法第5条ただし書きの規定による日銀引き受けも検討すること)。

 復旧復興特別税(法人特別税、特別消費税、社会連帯税等)―国は、被災東日本地域の復旧復興に充てるため、法人特別税、特別消費税、社会連帯税(所得税の付加税)等の創設を含めて検討すること。

 問題は、この素案の一部に対して、政府はもとより党内からも反対が相次いだこと。特に震災国債の日銀引き受けに関しては、与謝野経済財政担当相、野田財務相に加え、岡田幹事長までもが反対した。これは、「民主党と政府の連携がうまく取れていないことの証左」(永田町関係者)と言われている。

 <大連立の背景にあるもの>

 今の政府は、うそか真か知らないが、震災対策に取り組み“100時間寝なかった”枝野官房長官ばかりの存在感が際立ち、菅総理には相変わらず存在感がない。

 04年当時、“野党”民主党の代表を自らの年金未納問題で5月に退任した菅総理は、10月に四国に上陸し甚大な被害を出した台風23号の被災地を視察したあと、自身のブログで、「あい続く天災をストップさせるには昔なら元号でも変えるところだが、今必要なのは政権交代ではないか」と書いているが、皮肉にもここに来て自民党との大連立構想が急浮上している。

 確かに東日本大震災という未曽有(みぞう)の危機からの復旧復興に対しては、与野党一枚岩になって取り組む必要がある。しかし、現在の大連立は、「復興資金を地元誘導するための利権獲得」という政治の薄汚さが見え隠れしてならない。「結局、公明党との関係もあり、大連立がなったとしても、次の総選挙まで続くことはない。復興資金の配分が決まれば連立は解消する。せいぜい1年程度の連立だろう」という永田町関係者の言葉は、利権政治の実態を言い表している。

提供:モーニングスター社