ETFインタビュー:米ETFの資産残高、2011年にインデックス投信と並ぶ可能性=バンガード・加藤氏
2009/02/27 16:39
リーマン・ショック以降の金融市場混乱の中、指数に連動した投資成績を目指すインデックスファンドが国内外で人気を集めている。インデックス運用に強みを持つバンガード・グループの投資戦略や日米のインデックス投資の動向などについて、バンガード・グループ 駐日代表・加藤隆氏にインタビューした。
――08年後半の世界的な株式相場の暴落を経て、インデックスファンドに対する投資家の見方はどのように変化したか。
「金融危機を受けて、複雑な金融商品から透明性が高くリスクの少ないパッシブ系の商品に投資家が資金をシフトさせる動きがみられた。ある調査機関の調べによると、08年のMMF(マネー・マーケット・ファンド)を除く米国籍投信の純資金流出入額が610億ドルの流出超となる一方、バンガードは690億ドルの流入超を記録し、同業者中第1位となった。MMFを含む総額では、過去最高だった07年の1040億ドルに次ぐ810億ドルの純流入額を記録した。また、08年末時点での業界全体の米国籍投信の純資産残高(MMFを含む)は9兆6000億ドルとなったが、バンガードの純資産残高は1兆200億ドルと運用会社の中でも上位に入っている」
「米国ではバンガードのファンドがFA(ファイナンシャル・アドバイザー)から高い支持を得ており、FA経由で売れる比率が高まっている。これまで米国のFAは顧客への金融商品の仲介で販売会社から手数料を得るコミッション形式が主流だったが、最近では顧客からの相談に応えることで収入を得るフィー形式のFAが増えている。FAが顧客にとって本当に役に立つ投資アドバイスを考える上で、コストが安いバンガードのファンドが選ばれていると言えるだろう」
――日本ではバンガードのインデックスファンドを組み入れているセゾン投信の「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」(追加型株式投信/ファンド・オブ・ファンズ)が投資家の注目を集め、受益権口数が右肩上がりで増えている。日本のインデックス投資の状況をどのようにみているか。
「日本では、投資と言えば積極的に高いパフォーマンスを狙うアクティブ運用を思い浮かべる人が多かったと思うが、ここ2年あまりで、市場平均を目指すパッシブ運用の良さが個人投資家に知られるようになったと感じている」
「今後はETFにも積極的に取り組みたい。米国ではETFとインデックス投信の資産残高の割合が2001年におよそ2対8だったものが、08年9月末時点で4対6に変わってきており、バンガードでは2011年にほぼ同じ水準に並ぶのではないかと予想している。日本でもETFへの投資は増えていくだろう。当社はすでに日本のネット証券を通じて5本のETFを提供しているが、今後も長期で安定的に運用できるETFを1本、2本と着実に増やしていく方針だ」
――バンガードのETFは他社に比べて信託報酬が安いが、その理由は何か。新興国の株式に幅広く投資する「バンガード・エマージング・マーケット・ETF(VWO)」は、類似のETFに比べて信託報酬が約3分の1に抑えられている。
「インデックス投資運用の世界大手として規模のメリットを生かし、運用コストを低くすることが可能となっている。バンガードのETFは巨額の資産残高を持つ既存のインデックスファンドの一部として運用する点が特徴だ。このため、連動する指数の銘柄入れ替え時に現物売買を最低限にできるなど、ETF単独で運用する場合に比べて取引コストを最小化できる利点がある」
「また、バンガードのユニークな会社形態が低コスト運用を可能にしている面もある。外部株主が存在する一般的な運用会社は株主に配当金を支払う必要がある。一方、バンガードは相互会社のような形式で経営されており、投資家がファンドに投資することで間接的にバンガードを所有するかたちとなっている。このため、外部株主へ配当金を支払う必要はなく、その分ファンドの信託報酬を安くできる」
[ 株式新聞速報ニュース/SUPER−EXPRESS ]
提供:モーニングスター社