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<新興国EYE>インドネシア株式市場でもディフェンシブ銘柄への資金シフトの動き

2011/08/26 12:55

 8月に入ってから、欧米を中心に世界経済の先行きに不透明感が漂ったことで、世界の株式市場は大幅に下落した。新興国の株式も調整を余儀なくされ、多くの国で年初来リターンがマイナス圏に沈んだ。そのようななか、インドネシアの代表的な株式指数であるジャカルタ総合指数は年初から8月25日までのリターンが3.80%とプラスを維持しており、インドネシアは数少ない年初来リターンがプラスの株式市場となっている。

 インドネシアにおいてもすべての業種が上昇しているわけではなく、業種間でパフォーマンスに差が出ている。インドネシア証券取引所業種別指数の騰落率を年初から8月25日までで見ると、その他産業が26.56%で最も高く、次いで消費財が15.76%と高い。その他産業の上昇率が高いのは、インドネシアで時価総額最大の企業アストラ・インターナショナルの影響が大きい。アストラはインドネシアで自動車・二輪車・スペア部品の組み立て、販売に加え、子会社を通じて鉱業、プラント開発、金融、ITなども手がけるコングロマリット。その他産業指数全体の約80%を占めており、同社の株価が年初から23.5%と大きく上昇したことを反映している。

 一方で、インフラ・公益・輸送の下落率が最も高く、鉱業などもさえない。インフラ・公益・輸送のうち、上昇したのは37銘柄中8銘柄のみで、多くの銘柄が下落している。特に、全体の34%を占める国営通信企業テレコムニカシ・インドネシアが年初から9.4%下落していることが業種全体を押し下げた。

 もっとも、8月以降は選別の対象が8月以前とやや異なっている。年初から7月末までの期間は、インフラ・公益・輸送を除くすべての業種が上昇していた。順位はその他産業の上昇率が最も高く、次いで商業・サービスなどが高かった。しかし、8月から25日までの期間は、ほとんどの業種が下落しているおり、唯一プラスの業種は消費財のみとなっている。インドネシアにおいても、世界経済の先行きに不透明感が漂うなか、ディフェンシブな銘柄への資金シフトが起きているようだ。個別銘柄では、英蘭ユニリーバのインドネシア法人であるユニリーバ・インドネシアなどが堅調に推移している。

 ただし、このような状況が今後も続くとは限らない。足元好調な消費財銘柄の中にはPERなどの指標面で割高感がでている銘柄もあり、26日FRB(米連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長がジャクソンホールで行う講演の内容次第で大きく相場展開が変わり、資金の向かう先も変化する可能性は十分ある。

提供:モーニングスター社