株式ニュース



<特集>実用化近づく有機ELテレビ(2)=ソニーが最右翼、パナソニックの注目度もアップ

2011/08/26 18:29

 日本の電機各社のなかで、有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)で話題となることが多いのがソニー <6758> だ。2007年末、世界初の民生用有機ELテレビ「XEL−1」を発売したが、10年に国内販売を終了した。同機の「ネット機能が青少年ネット規制法に対応していなかったため」というのがソニー側の公式見解だが、裏返せばフィルタリング機能を付加してまで販売を継続するメリットに乏しかったと理解できる。もっとも、ソニーは放送局で画像確認用に用いる有機ELモニターを供給しており、25型、17型、7.4型の3機種がある。こちらは販売好調のようだ。民生用への再進出の可能性に関しては、「否定はしない」(広報担当)としており、有機ELテレビに関してソニーが注目銘柄の国内における最右翼である点は動かない。

 ソニーにはもう一点、グループのソニーモバイルディスプレイ(愛知県)と東芝 <6502> 傘下の東芝モバイルディスプレイ(埼玉県)とが液晶パネル事業を統合すると報道されている。ソニーは「公表できる内容のものが出てくれば、そのときは正式発表する」(同)と話すにとどめているが、実は中小型有機ELパネルで韓国サムスングループに対抗するというのが、この統合の狙いではないかとの見方が業界にはある点も注目される。

 東芝は「現時点でテレビに有機ELを近々採用するとの計画は無い」(広報担当)という。東芝は上記の東芝モバイルディスプレイがいったん発表した中小型(10型以下)の有機ELパネルの量産投資計画を取りやめた経緯(報道は10年10月)がある。理由について東芝モバイルディスプレイ側は「液晶事業も苦しかったので、事業分野を絞る必要があった。FPD(フラット・パネル・ディスプレー)の研究開発には(研究開発陣に)2−3年遊んでもいいと言えるぐらいの余裕が必要なのだが、最近は同業他社含め、そうもいかなくなってきている」(広報担当)と話す。

 液晶テレビ大手のシャープ <6753> は研究開発は実施しており、学会で2−3型程度の小型パネルを展示したりしている。「液晶と有機ELには技術的に共通点が多く、工場の転用は原則可能」(広報担当)という。ただ、「LGの有機ELへの大型投資は、韓国と日本のどちらが技術的に先行しているかという問題ではない」(同)とも。「産業として確立していない有機ELテレビ」(同)にあえて打って出る勇気があるかどうかの問題と暗に指摘。「(照明など)特定のアプリケーションが有望となれば、対応可能なだけの準備はしている」(同)と強調した。

 最後に、ここに来てにわかに注目を集めているのがパナソニック <6752> だ。同社の大坪文雄社長が5月、ロイターなどとのインタビューのなかで有機ELに触れた。報道によると「プラズマや液晶に一部で置き換わっていく可能性のあるパネル。本社の研究所で生産体制を考えている」と発言した。会社側によれば、「やるんだったら大型テレビか」との趣旨の発言もあったようで、ソニーとならぶ注目銘柄の一つに急浮上してきている。

提供:モーニングスター社